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| 1.はじめに |
| 日本の経済は20世紀末からのグローバル化の時代にはずっと停滞してきたために、 |
| 2010年には日本のGDP(国民総生産高)はすでに中国に抜かれて世界第2位の座から |
| 転落し、その後は2023年にはドイツにも抜かれ、目下インドにまで抜かれると騒がれ |
| ています。2024年には日本人の一人当たりの名目GDPの規模は3万4,000ドル程度で、 |
| 先進国中22位となってしまいました。韓国や台湾ですら日本の水準を上回ることにな |
| ってしまったのです。西洋諸国を除く国々の中で唯一の先進国であると自負してきた |
| 日本は、そのアイデンティティをとっくの昔に過去の物語化させてしまったのでした。 |
| そこで、今回はこの理由がどこにあるのか、また背景にある問題が何であるか、何 |
| 故日本が停滞した20年とか30年とか言われる間に、このような有様になってしまった |
| のであろうかについて考えて見たいと思うのです。 |
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| 2.本当に生産性の低い国に引き下がってしまったのか? |
| 近年筆者の思い違いとは思わないのですが、古くから日本らしさの根底にあると思 |
| われていた肌理(キメ)細かさや相手を思いやる気持ち・心根が逆に災いして、ある |
| いは日本の取柄と評価されていたことが徒花(アダバナ)となって、人の手を多く必 |
| 要とし、不必要な心配りや過剰なオーバーサービスを招いているのではなかろうかと |
| さえ思うのです。小売店や百貨店の接客の場に限らず、生産現場や事務遂行の場にま |
| で必要以上の人の手が要求されたり、日本の職場の中間管理職の数が欧米に比べて多 |
| すぎて、生産性の悪さを招いているのではなかろうかと指摘をする声は、筆者も実際 |
| の工場見学の現場などでしばしば海外の見学者から聞かされたことでした。最近では |
| 海外の賢人の話として新聞や雑誌等で多く聞かれるようにもなっているように思いま |
| す。 簡単に言えば、日本人が美徳と考えて、歴史と共に取り組んできた風俗・習慣、 |
| 習わし・儀礼、その他の慣習法の取り決め等をあまりに真剣取り組み、大きなウエイ |
| トを占めるようになって、万事手間が掛かりすぎるようになってしまい非効率を招く |
| ことになってしまったということでしょうか。 |
| 逆説的に言うなら、歴史的な日本人の礼儀、作法、社会や職場の伝統的な習わしや |
| 心得、歴代の申し送り事項等々が、時代の流れにそぐわないことになってしまった、 |
| と言えるのではないでしょうか。何でもかでも杓子定規に簡素化すれば良いというも |
| のではないことは勿論のことですが、そうかと言って時代の流れにそぐわない(英語 |
| ではunsuitableと言いますが)ものを努力して続ける必要もない訳で、確かに日本に |
| はそろそろ抜本的な見直しが求められているのかもしれません。旧態然たる物指しや |
| 仕来りを何時までも続けていると、急激な変化に対応できなくなってしまうかもしれ |
| ません。 |
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| 3.変化に対応できる生活態度に変革しよう |
| 因みに筆者が海外で聴かされた次の二つのことが思い出されます。 |
| 一つは「変化にうまく対応した人がチャンスを掴むのです。」と、もう一つは「変化 |
| の瞬間に新しい“価値”や“市場”が生まれているのです。」なのですが、全くその |
| 通りだろうと思います。他にも次のような格言的な文章を何年か前に何かの文化人の |
| 座談の場で聴いたように記憶しています。 |
| 1)慣習と常識の複合体としての文化は、世界の多くの地域で、極めて長い時間に |
| わたって発展してきて、今日の姿になっている。 |
| 2)文化の進化・発展は、知ること、感じること、そして行動することなどの心理 |
| プロセスの集積からもたらされる。そこで、文化の構成体である各個人は文化 |
| 的多様性を深く理解した上で、異なる文化圏の形成を良く考察する必要がある。 |
| 筆者の感じでも、現在が正(マサ)にその瞬間の時期に当たっていると思います。 |
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| 4.「自然」と「現実」をしっかり分けて考えよう |
| 何事も自然に任せれば良いというものではなく、自然と現実はしっかり区別して対 |
| 処することは必要でしょう。もう少し専門的に議論するなら、日常性、アクチュアリ |
| ティ(Actuality)つまり、眼に見える、音に聞こえる、触って感じられる、温かい・ |
| 冷めたい触角がある、臭いがあって・味がある等のいわゆる五感に与えられるものを |
| 一つの「現実」と考え、五感全てを備えているものを物と呼び、その中で、非常に強 |
| く現実だと考えるものをリアリティ(Reality)と区分します。自然は、人為的にああ |
| したらこうなるが成り立たない世界を言います。昔枕詞(マクラコトバ)としては |
| 「掛け替えのない」が使われ、“一つしかない”を表しており、人間もその中に入り |
| ます。この世界の事象に特徴的なことは、”狼狽(ウロタ)える”があります。現実 |
| には「自然」と「意識」の二つがあり、自然は身体で、自分の思うようにはならない |
| が、意識の世界は自分の思うようになります。 |
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| 5.おわりに |
| 上述した変化の対応に絡んで、西洋にはラテン語の世界から今日まで「メメント・ |
| モリ (Memento mori,死を忘れるな)」があるように東洋の仏教の根本思想には共通 |
| した「諸行無常(万物は常に変化しこの世に不変のものはない)」と説いています。 |
| 筆者も改めて先輩の言葉に耳を傾け、人生の末期になりましたが、真剣に自身の行動 |
| に移し込みたいものと思い直しました。 序にラテンの格言にもう一つ大切な |
| “Carpe diem 「カルぺ・ディエム」(人は何時死ぬか分からないから、今日を精一 |
| 杯生きよ!”という盛者必衰をポジティヴに反転した考えを併せ思い出しました。 |
| 以上目指した十分な検討も考察もできませんでしたが、真意は汲み取っていただけ |
| たことと思って筆を置きます。 |
| 長時間駄文にお付き合い下さり有難うございました。 |
| 了 |
| 2026年3月23日(月〉 記 |
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| 2.次の世界に旅立つ日など勿論決められないが・・・ |
| 当然のことながら、これから何時あの世に旅立つことが出来るのだろうなど決めら |
| れる訳はなかろうと思います。ところが、毎日少しずつその日に近づいていることは |
| ひしひしと身に迫ってきていることが分かり、気味悪いです。なぜって問われても答 |
| えに窮しますが、わが身が毎年確かにその日に近づいているのか、あるいはその日が |
| わが身を招いているのかはっきり言えませんが、間違いはないように感じられます。 |
| 彼らの戸惑いのない足音を感じるだけでなく、彼らが大地を掛けて近づいてくる足音 |
| を地響きにも似た音や空気の振動で感じているためだろうと思います。近時筆者は考 |
| えるところがあって、寿命は120歳を目指そうと決めたのでした。 もう10年も待たず |
| に我々人間は寿命が亡くなる時を迎えると説く学者が多いですが、それにあやかって |
| 筆者は少し早く、先ず120歳を目指して見ようと目論んだのでした。 |
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| 3.黄泉の国への旅立ちに備えて、再考したい渋沢栄一の言葉 |
| 渋沢栄一が残した言葉の中で、筆者が現在の立場を考えて思い起こすのは「もし年 |
| 老いてまだ寿命に恵まれていたとしても、ただ食べて、寝て、その日を送るだけの人 |
| 生では、そこには生命などなく、肉の塊があるだけだ。一方で年老いて、体が満足に |
| 動かなくなっても、心だけは世の中の役に立とうとするなら、それは生命ある存在に |
| なる。」である。続けて「(少々略)単に務めるだけでなく、そのことに対して「趣 |
| 味」を持たなければならない。もし「趣味」がなければ、心もなくなり、ちょうど木 |
| 彫りの人形と同じになってしまう。たとえどんなことでも、自分のやるべきことに深 |
| い「趣味」を持って努力すれば、すべてが自分の思うとおりにならなくても、心から |
| 湧きおこる理想や思いの一部分くらいは叶うものだと思う。孔子の言葉にも、「理解 |
| することは、愛好することの深さに及ばない。愛好することは、楽しむ境地の深さに |
| 及ばない。(筆者注:この論語の原文は、“之を知る者は之を好む者に如かず、之を |
| 好む者は之を楽しむ者に如かず。”となります)。 渋沢が使っている「趣味」とは、 |
| もともとの意味の「物事の面白味、味わい、趣を指していますし、それらを感じる能 |
| 力、それに反応する好み、感覚、センスを言っているのです。 もう少し補足すれば、 |
| その人の趣味能力で加工し、目的に沿うよう導く力やアイデアをも含んでいると思わ |
| れます。筆者もこの感覚は非常に大事なことだと思います。渋沢は人一倍人の進化と |
| 進歩に目を光らせていたと思うのです。筆者も今からでは遅すぎますでしょうが、こ |
| の渋沢の意気を大切に見習いたいものと思っているのです。 |
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| 4.日本人として他人に寄り添う気持ちを |
| 保持し続けたいと改めて思うのですが |
| 筆者の現在までの生涯を通して、又過去の歴史書や文学作品を読んだ感想として、 |
| 日本人は相互間で穢れを嫌い、もめごとはなるべく顕在化させる前に水に流してしま |
| うとか、あるいはなるべく自我を抑制して関係者にしこりを残すことなく平和裏に矛 |
| を収めるというのが表裏関係なく、普通に行われた物事の処理の仕方であったように |
| 思います。 |
| ところがディジタル社会に入り、 現在のSNSの飛び交う言語空間では、水に流す感 |
| 覚などもはや存在しません。人々は独立した自我を主張し始めたからです。いま日本 |
| 人の特徴の一つにも数えられる若人の自殺の多さがこの辺をしっかり表現していると |
| 言ってもよいでしょう。実現することを希望する自我主張とそれが実現できる可能性 |
| との間にあまりにも大きなギャップがあることが明らかであるために、自ら諦めてし |
| まう結果、痛ましい死までも招いてしまうのでしょう。 |
| 閑話休題、筆者が通っている歯科医院の受付の壁に貼られている標語「読書百遍意 |
| 自ずから通ず」から捩って創られた標語「咀嚼百回胃自ずから通ず」に倣ってウイッ |
| トが分かり合え議論の後にも笑顔が欲しいと望まずにはいられません。 |
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| 1)一つには、変化は過去と不連続に起こる。 |
| 2)二つ目には、従って、予測は難しく、非線形的に起こり、唯一大局を把握して予 |
| 見することが出来るのみである。 |
| 3)三つ目には、過去には大きな変化は7年とか、10年とかの周期を持って起こると |
| 思われていたが、現在では、過去の変化とは離れて物事の変化は加速度的に起き |
| ている。従って近未来だけの変化を考えても、未来は見えず意味がないことにな |
| る。 |
| これらのことは、人間一人一人が遠い未来を見つめて視野を大きく拡げて、世界が |
| どのように変化し、発展・進化しようとしているのか、その法則を学ぶために「大局 |
| 観」を身に付けなければならないだろう。哲学者はそこで世界変化、発展、進化の根 |
| 底にある「法則」を洞察するものとして「哲学」を学ぶことを薦めているのでしょう。 |
| これから起こるであろう変化としては、皆様もご承知のアメリカ合衆国の対中国、 |
| 対ロシア、そして対イランの関係がどう動いていくかでしょうが、門外漢の筆者には |
| 今の段階でこの難解な問題に正確な回答など出来よう筈もありません。ただ是非とも |
| 大ごとにならぬようにという期待と願望は書き残しておきたいと思います。 |
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| 2.寿命と健康寿命 |
| 寿命(ライフスパン、Life span)と健康寿命(ヘルススパン、Health span)、世 |
| 界一の長寿を誇る我が国の女性についてみれば、この二つの寿命の間には16歳以上の |
| 開きがあるようです。 |
| 皆様ご存じのように健康寿命とは、慢性疾患 (Chronic Condition)や加齢に伴う障 |
| 害を抱えることなく、健康に過ごせ、活動的に生きられる人生の期間を指して言う言 |
| 葉です。これから到来する新たな医学的ブレークスルーに健康なまま辿り着き、更な |
| るヘルススパンの延伸に繋げることが出来る期間です。 |
| ところが、以前にも書きましたように、10年か20年以内に、つまり後一度か二度の |
| 臨床試験が進むくらいの時期に、人類は寿命脱出速度に到達可能になるのです。人類 |
| は現在の最長寿記録である122歳を超えて、更に健康寿命を延ばせるのか、200歳以上、 |
| 或いは無限に生きられるのか、が問われる時代を迎えようとしているのです。 |
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| 3.長寿を実現するためには長寿マインドセッティングが最も大切 |
| 長寿を実現するには、基本として最も大きな要素である長寿マインドを築き上げ、 |
| 維持することが必要です。長寿マインドセットとは、健康寿命を科学の力で10〜20年 |
| 延伸することが出来ることを信じ込むことなのです。自分が自分の体の健康を守る最 |
| 高責任者になりきることなのです。そして、「人生は短いが、選択と努力次第で延伸 |
| できる」ことに一日でも早く気付くことです。具体的には寿命に対する遺伝の寄与率 |
| は約7%に過ぎないと言われています。未だ研究者の一部には約20〜30%とかなり高 |
| めに推定している者も存在しますが、残りの70%以上は生活習慣の選択に左右される |
| としているのです。勿論生活の上での食事、運動、睡眠が健康寿命に大きな影響を与 |
| えることは歪められませんが、最大の影響を与えることは、このマインドセットを本 |
| 人がどのくらい真剣に信じ込めるかに係っているのです。 |
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| 1)六つの領域の先ず一つ目は、自分の寿命や健康寿命について自分が思い込んでい |
| る固定観念は何か? |
| 例えば、「自分は80歳まで生きられれば十分で、あり余るエネルギーと情熱があ |
| れば100歳まで延伸も可能かもしれない」とか。 |
| 2)二つ目は、通常自分のマインドセットに直接影響を与えているコンテンツ(本、 |
| ブログ、映画、ニュース等)は何か?頭に取り込むものも慎重に選ぶ必要がある |
| からです。 |
| 3)三つ目は、日々誰と付き合っているか? |
| 生活しているコミュニティにはどんな人がいるか?長い時間を一緒に過ごす人々 |
| は、あなたの信念や行動に最大の影響をもたらしているからです。それらの人々 |
| は長寿維持にあなたと同様の理解があるか? |
| 4)四つ目は、睡眠は健康寿命を最大限に延伸するために不可欠な要素ですから、こ |
| とごとをよく理解して、貴方もあなたの周りの人々も、同じアンダースタンディ |
| ングが確立できているか? |
| 5)五つ目は、食生活はどのくらい健康的に行われているか? |
| 例えば、太り過ぎなのに追い打ちを掛けるように砂糖やその他の糖分を摂ってい |
| ないか?野菜や植物性食品を多く摂取し、筋肉作りに必要なたんぱく質をしっか |
| り摂っているか? |
| 6)六つ目は、どの位真剣に運動に取り組んでいるか? |
| 運動は前述した如く、マインドセット、十分な睡眠、健康的な食事と共に長寿の |
| 基本を成すものです。筋肉量を維持し、要すれば増やすことが極めて重要で、ど |
| の位の運動量を自分に最適のものとして選ぶことが出来るかがスタートです。 |
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| 3.オートファジィ、自食作用を活性化させる四つの食品成分とは |
| 1)スペルミン(Spermine)C10H26N4 ポリアミンの一種 |
| 納豆、味噌、醤油、キノコ類、チーズに多く含まれる。 |
| 1678年精液から発見された。オルニチンなどのアミノ酸から合成される。 |
| 細胞の成長や修復に重要な役割を果たし、老化防止や寿命延長にも寄与すと考 |
| えられている。 |
| 2)ウロリチン(Urolithin) |
| ザクロやベリー、クルミに含まれるポリフェノールの一種。 |
| 抗酸化作用や抗ガン作用があり、老化した細胞の代謝を活性化する。 |
| 脳の炎症を抑え、アルツハイマー病の予防に寄与する可能性がある。 |
| 皮膚の老化を抑制し、美白効果や男性型脱毛症の予防にも関与している。 |
| 腸内細菌の種類によって生成されるため、全体の40〜50%の人しか作れないと |
| されている。 |
| 「ウロリチンA」というサプリメントができている。 |
| 3)レスベラトロール(Resveratrol) |
| 赤ワインに多く含まれるポリフェノールの一種。 |
| 抗酸化作用やアンチエイジング効果、心血管の健康促進など、様々な健康効果 |
| が期待される成分。 |
| 作用の活性酸素を除去し、細胞のストレスを軽減する。これにより、老化や慢 |
| 性疾患のリスクを低下させる可能性がある。 |
| アンチエイジング、心血管の健康、ガン予防、糖尿病のリスクを低下させる可 |
| 能性がある。 |
| 4)阿波番茶に含まれるポリフェノールの一種 |
| 筆者の勉強不足で具体的な成分については不明である。 |
| 健康寿命を10年延ばすことを目指す世界的コンテストで準決勝に進出し、 |
| “Top 40 Milestone Award”の受賞も決定したオートファジィ研究の第一人者 |
| として知られる吉森 保先生の研究成果による。 |
| 阿波番茶にもたくさんのサプリメントや簡便な茶葉セットがあり、既に多くの |
| 愛好者があるようである。 |
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| 1.はじめに |
| 「旅好きの筆者が、今回は何処に向けての旅の話なのでしょうか?」と、思われて |
| いることでしょうが、今回の主題はあのフランスの作家マルセルプルースト(Marcel |
| Proust, 1871年 7月10日〜1922年11月18日)が機会ある毎に話されていたと言われ |
| る次の言葉について書いてみようと思っています。 |
| マルセル・プルーストは言います。「真の発見の旅とは、新しい景色を探すことで |
| はなく、(今まで見続けていた眼ではなく)新しい目で物事を見ることである(英語 |
| でも次のように表現されています。 すなわち、 “The real voyage of discovery |
| consists not in seeking new landscapes, but in having new eyes.”) そして |
| 「読書と言う行為も、その「「新しい目」」を手に入れるための旅でもあるのだ」と |
| も。 |
| このプルーストの言葉を解説して文芸評論家先生方々は要約して、「もし、このプ |
| ルーストの「「新しい目」」と言う言葉が、自身の視点や目の解像度、価値観の変化 |
| を意味するのならば、何も旅に出て非日常的な体験をしなくても、見慣れた日常の中 |
| でも旅はできるし、自分の気持ち次第で、人は何時、どんなところにいても旅人にな |
| れるのではないでしょうか。」となります。全くその通りだと思います。 |
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| 3.その“燃える人”になるには?! |
| では、その“燃える人”になるには、どうすればよいのでしょう?! |
| まず第一には良い友人に出会い、そして励まされ、その友人の一挙手一投足に共感 |
| を覚えることが必要でしょう。 |
| 勿論、友人としての人間その人であることが最適でしょうが、その代わりに薫り高い、 |
| 品格のある書物や作家の作品であったり、文学に限定せずとも、音楽や芸術・芸能の |
| 世界の偉人・賢人であっても同様のことでしょうが・・・・ |
| 第二には、身の回りや近くに、アクティヴ(active)な、ポジティヴ(positive)な、 |
| 影響をもらえる人がいれば、その人たちの影響を受けて自然にポジティヴな気分に慣 |
| れ親しめるようになる筈です。 |
| 第三に、これも当たり前と言えば当たり前のことですが、自分だけ一人になって、 |
| あれこれ考えることは、害こそあれ、余り益にはならないので、出来れば多くの人々 |
| の中に生活の場を常に持つことが出来るよう努めることだと思います。そうすれば自 |
| 然に自分一人では成し得なかったことが出来る雰囲気の中にいることに気付くように |
| なるでしょう。 |
| この意味でも筆者が高校一年生の時に、クラスの文芸誌を持つことを提案するグル |
| ープの一員として、編集や実際に作品を作ることに取り組んだり、三年間を通してク |
| ラブ活動として花や虫を相手に採集や合宿を繰り返したり、同じような境遇の東京都 |
| 内の他の高校代表と共に受験番組や受験雑誌の座談会に相まみえたりした経験が大変 |
| 役立っているように思えます。要は集中して打ち込める時間と場所を持つことだと思 |
| います。大事なことはその範囲と言うか規模の大きさと深さ・密度ではないでしょう |
| か。これらの要件の裏には、言わずと知れた好奇心の大小や軽重が大きく係ってくる |
| ことでしょう。 |
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| 1.先達の生活の心得を受け入れて |
| 映画監督大島渚の奥様で、著名な女優小山明子さんの生活の信条として知られる |
| 「生活の心得」なのですが、筆者もこの考え方は素晴らしいし、是非学ばせてもらい |
| たいと思い、自己流の努力目標を以下それぞれ立ててみました。 |
| まず第一に、カの「感謝」では、是非とも毎日の女房の献立メニューに対しての感 |
| 謝を取り上げたいと思います。その次のキの「興味」とクの「工夫」が少々難しく、 |
| 勝手が許されない分野かもしれないと思いました。例えば「興味」では今更興味を集 |
| 中したいものがあることが、自分の歳を考えると、ある意味では珍しいというか、お |
| かしなことでもあろうし、「工夫」でもあまりに拘って、出来もしないことを空想し |
| ても意味がないので、毎日の生活や生活の日々のアクションの中から少しずつ改善・ |
| 改良することを工夫したらと考えて見たら、思い付いたのです。「そうだ!!これや |
| ってみよう!!」と、浮かんだのが相手の希望していることは何なんだと感じ取って |
| それらを自分のやりたいことに組み込んで行く、全く新しいことを生み出す方法を編 |
| み出したいと思ったのです。つまり、集団の一員として生きるからには自分が邪魔に |
| ならないよう、周囲にシンクロナイズして同化・協調する努力は今まで以上に求めら |
| れるだろうと思いました。コで挙げておられる「好奇心」については筆者は人後に落 |
| ちないと自負していますので、殊更に改めて大袈裟に振りかぶる必要はないと判断し |
| ました。ただ、飽くまでも好奇心があるからと言って、滅多やたらと何にでも手を出 |
| し、間口を広げるだけでは意味がありませんし、気が散るだけ無駄な努力となってし |
| まいます。あることを成す出発点として、或いはその補足や充足のために活用するこ |
| とが肝要でしょう。 |
| 「カキクケコ」の中で、小山さんが「コ」の中に特にもう一つ特別に言われておら |
| れることに「転ばぬこと」があります。この部分は特に老人には大変大事で必要な事 |
| であろうと思いますが、身軽に過ごせるように体重に留意し、筋力の増強に努力する |
| など、筆者もやっていますよ。腰と膝を患ってからは、足を踏み外しそうになり危う |
| い思いをしょっ中やっています。駅の階段を転げ落ち、瞬間に記憶喪失し、パトカー |
| の世話になったりも既に経験済みです。本当に他人ごとではないのです。筋力が落ち |
| ないよう、好きだった歩くことを、もう一度毎日の日課の一部に組み込んで、日常の |
| 習わしにしたいものだと、方法を考慮中です。 |
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| 2.精神的な心得を今一度考え直し、強い支えにしたい |
| さて、具体的なアクションについてはこのくらいに留めて、もう一度心の支えを考 |
| え直し、安定した思考の中に身を置くことが出来るようメンタルな装備をしっかりし |
| たいものだと思っています。 |
| 筆者が若年の頃よく親から言われた諺と言うか、格言と言うかの次の二言が今でも |
| 筆者の心に畳まれています。 |
| (1)一つは「耐える者必ず志を得る」で、 |
| (2)もう一つは、「人間の能力には限界があるが、努力には限界はない」です。 |
| そう言えば、禅宗の言葉に、「悟後(ごご)の精進」があるのを思い出しました。意 |
| 味は「何かを始めて、ある程度結果が生まれた時に、いち早く悟りを得たとして悟り |
| 顔と言うか、したり顔をするというのではなく、そこから先さらに人間を磨いていく |
| ことが大事だ」、と説いているのです。この微妙な違いを良く胸に畳んでおくことが |
| 本当に大切でしょう。その意味では同一の職場や仲間とだけ付き合って物事を進める |
| というのは片手落ちで、折角目指したことの成果を寂しいものにしてしまうかもしれ |
| ません。同好の士と楽しみも苦しみも共にしたいと思います。 |
| ここに挙げた二つの格言に関しては、流石に親父は国漢の先生であったな、と感慨 |
| を新たにしましたが、「流石に親だったなあ」と棺桶に足と突っ込みかけているとき |
| になって初めて、こんなことを言っているようではどうにもなりませんよね!大いに |
| 普段の不甲斐なさを嘆かわしく改めて思い知ったのでした。深く反省した次第です。 |
| 閑話休題、今流行の言葉にリーム・ダック(Lame Duck)があります。俗語ですが、 |
| しっかり辞書にも乗せられています。その意味は、一つは個人や組織に用いて、あま |
| り成功していなく、助けが必要な人や組織を言います。もう一つは、政治家または政 |
| 府に用いて、任期が間もなく終了し、再選される見通しのない政治家やその政府を言 |
| います。 |
| また、個人や組織が機能不全に陥った時に、「ゾンビ化した」と言います。 |
| “Zombi”としっかり英語になって辞書にあります。 人間の機能不全には自律神経の |
| 失調症がありますが、自律神経を患った時の緊急の矯正法として、ある医師は次の方 |
| 法を提案されました。筆者もこの中の一部については現在まで長く続けていることも |
| あります。 |
| 1)毎日日記を付け、次の3項目は必ず記入すること |
| (1)今日よかったこと |
| (2)今日一番駄目だったことや過去にやったことで、またやってしまったこと |
| (3)明日必ずやりたいこと |
| 2)明日の行動予定を一覧票に作り、当日はそれを消し込んで行くこと |
| 3)自分で好きな構図の写真を撮ること |
| (1)自分の好きな風景やそのアングルを知るため |
| 4)過去に撮った写真を見返してみること |
| これらのように、精神的なバックアップ・システムは幾つかの裏付けのある方法が既 |
| に確立していますので、それらの助けを得て、十分な備えをしたいものだと思います。 |
| アプローチの方法は他にも沢山あることでしょうが、要はそれらが長続きできるもの |
| であるか、やり方やその結果が皆さんに分かってもらえるか否かが鍵だと思います。 |
| 面白く自分を育てることにもう少し留意したいものだと改めて思った次第です。まだ |
| まだ議論を進めたいことはありますが、本日はこの辺で切りを付けたいと思います。 |
| 了 |
| 2026年1月10日(土) 記 |
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| 1.はじめに |
| 以前健康体の時は少々深酒や飲み過ぎでも苦しくなったり、調子が優れないときに |
| は幾つかの逃げ道を持っていましたので、さらに余計にメンタルな要素が加わって精 |
| 神的にダメージを受けても、好きな音楽を聴くとか、好きな水彩画の筆を持つとか、 |
| 好きな友達のような花や虫と話をするとかして、リフレッシュでもリセットでも大袈 |
| 裟な準備や心構えをすることなく、乗り越えてこられましたが、昨今のように体が動 |
| かず、長距離を歩くとか、大きな重い荷物を持ったり、背負ったりすることが出来な |
| くなってからは、出掛けることも思うに任せず、ただ横になって体を休めても、直接 |
| 的に不調から脱出することは容易ではありません。考え込んでしまえば、更に調子を |
| 悪くしたり、つい苦情の一つも言いたくなりますし、嫌味な態度を取りかねません。 |
| 何とか再びストレス解消法の一助になるよう、是非ともリセットの効果として結果が |
| 持てるよう安らぎや趣味を続けたいものだと真剣に望んでいますがなかなか思うよう |
| には行きません。 |
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| 現代語訳にすれば、「新しい年が始まる初春の今日、降る雪が積もって行くように、 |
| 今年もたくさんの良いことが重なるように願いたいものです。」となるでしょうか。 |
| 雪はなくとも元旦の朝に相応しい始まりの歌だと思います。筆者も加齢に負けず少な |
| くとも、向こう一年間は希望の持てる毎日の生活を続けたいと思いますし、毎日一つ |
| でも残せるものを作るなり、創るなり、あるいは開いたり、咲かせたりしたいと前向 |
| きの姿勢だけは崩したくないと決意を新たにしたところです。 |
| ここ数年は、長年の東京計器(株)での勤め人生活とさらにその後起業して始めた |
| 20年以上の企業運営生活に慣れ親しみ過ぎて、それらの仕事とばっさり縁が切れてし |
| まうと寂寞の極みで何とも情けなく、逆に一抹の悲しみに苛まれ、ややもすればその |
| 中に溺れそうになっています。 |
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| 3.我が人生を振り返って |
| かと言って、筆者は今までの自分の人生に失敗があったとはけっして思っていませ |
| ん。筆者と付き合ったり、一緒に仕事をしてもらった人々に言わせれば、多分他人よ |
| りも何ぼか多くの楽しみや良い思いを持つことが出来、得難い稀な経験をたくさんに |
| 重ねていて、周囲の自分達の方が情けない位に思っていると言われることでしょう。 |
| 筆者は日頃から手早く良い仕事をするには、感性の働きを良くすることが何より大 |
| 切ではないかと感じていますので、周囲との諍いは少ないに越したことはなく、出来 |
| るだけ穏便に仲良く意思疎通を十分果たせるよう努力しているつもりです。かと言っ |
| てしかし、あまりに馴れ馴れしくすれば大事な感性が鈍ってしまいスムーズな折衝の |
| 仕事や文筆活動が出来なくなってしまうでしょう。勿論現在筆者が行っていることは、 |
| 本来の生業(なりわい)仕事ではなく自発的なサービス作業や奉仕活動ですから、有 |
| 頂天になる必要もなく、他人(ひと)に褒められたり、いい気になったりしては自分 |
| が自滅してしまうでしょう。例え生業でなくとも、平坦な道を横滑りするように往復 |
| するのではなく、十分な高さはなくとも、逆に1ミリでも2ミリでも高さのある坂道 |
| を登るように心掛けたいと努めています。 |
| 物量でリセットすることはもう容易ではないでしょうし、棺桶に片足以上を突っ込 |
| んでいる今となっては必要もないことでしょうから、せめて心構えや気持ちの持ち方 |
| をもう一度しっかり手綱を締めなおして、残りの人生を頑張りたいと思っています。 |
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| 4.今できるリセット、リフレッシュは何だろうか? |
| 自分が人間として生をこの世に受けたことに対して、衷心から忝(かたじ)けなく |
| 思い、感謝して、その生を十二分に生かすことを考えたいです。雑用に追われ、大事 |
| な心の支えを忘れないよう、何事も肯定的に捉え、逆の否定的な言葉を発することに |
| 留意し、出来る限り肯定的な言動力に置き換える努力をしたいと思います。体力は加 |
| 齢と共に確実に衰退して行きますが、大事な脳はストレスを与えることさえ控えれば、 |
| 幾つになっても成長すると言われていますので、上手に脳を使う方法、活用法を常に |
| 考えるようにしようと思います。これが今できる最上・最高のリセットであり、リフ |
| レッシュであろうと思うのです。そのためには自分を逆境に置くこと無きよう注意を |
| 払い、ストレスを感じないようにすること、ストレスを前もって排除することに努力 |
| したいと思います。 |
| 茶道裏千家野前の家元 千玄室氏の言葉に「但借身命(たいしゃくしんみょう)」 |
| があることを同氏の著作から知りました。意味は“人の命はどこまでも大切にすべき |
| もの。それも単に大事にするのではなく、他人様のためになるように使うもの”です |
| が、上述したリセット、リフレッシュ法は正にこの意にも添ったものと思いますので、 |
| 是非速やかに実行に移したいと決意しました。 |
| | | |
| 2.日本の百寿者は何人いるのか? |
| 1963(昭和38)年に日本人では百歳以上の人は153人、前回2015(平成27)年の国勢 |
| 調査では146人、直近の国勢調査では141人という結果であったとか。これらの人は認 |
| 知機能が高く、自立した生活のできる老人であったようです。この傾向は、一つには |
| 高齢になっても肉を好んで食べ、赤ワインを飲む人が少なくないことと関係があるよ |
| うですが、未だ具体的な研究結果が生まれているわけではないようです。これらの人 |
| 々の血中のタンパク質であるアルブミンの濃度が高いことまでは判明しているようで |
| すが・・・。 |
| 筆者も心臓を患ってから、食事のコントロールに多少気遣いながら、澱粉質や塩分 |
| 脂肪の摂取量をコントロールし、 |
| *朝食には:米飯150グラム、ゆで卵1個、納豆、沖アミの干したものをフリカ |
| ケとして、それにシジミと野菜、もしくはワカメ等の海藻類の味噌 |
| 汁に牛乳1合と日本茶 |
| *昼食には:バナナ1本をヨーグルトで食すのみ。まれに澱粉質としてラスク状 |
| のパンの小片を1,2枚 |
| *夕食には:主食としては米飯も麺類もパンも一切取らず、代わりに赤ワインを |
| グラスに2杯、副食と言うかツマミとして野菜と魚介類の料理を2, |
| 3皿 |
| と言う食生活が少なくとも6年以上続いています。 |
| 俗に気配りの必要な食材は3S1Yと言われますが、 |
| *S1はSalt 塩分を節制する。 |
| *S2はSeafood 魚介類を採る。 |
| *S3はSoy 大豆やその加工品、例えば豆腐や納豆を採る。 |
| *Y1はYogurto ヨーグルト |
| 筆者の食事は、この気配りをその通り踏襲している模範生ではないかと自負してい |
| ます。このような生活態度から、筆者も是非とも百寿者の仲間入りをさせてもらいた |
| いものと思っている次第です。運良くば、スーパー・センチュリアンになってみたい |
| ものだと希望的な期待を抱いています。 |
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| 3.長寿者になる仕組みは? |
| 人間の老化を遅らせ、寿命を延ばす効果が期待される物質としては、ニコチンアミ |
| ド・モノヌクレオチド(Nicotinamide Mononucletide 以下略称NMNと記す)が一番 |
| だということです。食材としては、アボガド、ブロッコリー、キャベツ、エビに多く |
| 含まれていて既に多くのサプリメントがあり、この市場は100億円を超える規模になっ |
| ている由です。また、劣化を遅らせて寿命を延ばす酵素「サーチュイン(Sirtuin)」 |
| が注目されていますが、この酵素発見には日本人の米国ワシントン大学卓越教授今井 |
| 眞一郎氏が中心になられたことで話題になりました。またこの発見以後、サーチュイ |
| ンが働き易くなる他の酵素の働きを助ける酵素としてニコチンアミド・アデニン・ジ |
| ヌクレオチド (Nicotinamide Ademin Dinucletide 略称“NAD”)があることが分 |
| かってきましたが、この酵素は加齢により減少することが分かり、目下この現象を抑 |
| えることとこれに代わる酵素はないかを研究されていて、日本の多くの科学者がその |
| 中で活躍されている由です。 |
| 蛇足になりますが、この分野の進捗には、人間の老化と寿命に直結した課題である |
| だけに世界の大きな関心の的となっており、ノーベル賞の医学生理学賞の関連する部 |
| 門で既に日本人が3人も受賞の栄誉に浴くしているため、日本人はこれから相当に近 |
| い内に、死なない国民、いや、死ねない国民になるという嫌な冗談すら飛び交ってい |
| ると言われます。 |
| | | |
| 2.日本は生産性の低い国に引き下がってしまった?! |
| 近時、筆者の思い違いとは思わないのですが、古くから日本らしさの根底にあると |
| 思われていた木目細かさや相手を思いやる心根が逆に災いして日本の取柄と評価され |
| ていたことが徒花(あだばな)となって、人の手を多く必要とし、不必要な心配りを |
| 心掛けることに成り、客との応接の場に限らず、生産や事務遂行の場にまで必要以上 |
| の人の手が要求されたり、甚だ生産性の悪さに繋がってしまったと説く海外の賢人の |
| 話が多く聞かれるようになってきたように思われます。 |
| 簡単に言えば、日本人が美徳と考え、より深く真剣に取り組んできた風俗、習慣、 |
| 習わし、儀礼、その他諸々の慣習法と呼んでも良いような事柄が大きくなり過ぎて、 |
| 万事手間が掛かりすぎ、非効率になっているということなのだろうと思われます。 |
| 逆説的に言えば、長い歴史的な日本人の礼儀、作法、社会や職場の伝統的な習わし |
| や心得、申し送り事項等々が時代の流れにそぐわなくなってしまったと言えるのでは |
| ないでしょうか。何でもかでも杓子定規に簡素化すれば良いというものでないことは |
| 勿論のことでしょうが、そうかと言って時代の流れにそぐわない物(英語では“unsu- |
| itable”と言いますが)を努力して続ける必要もない訳で、確かに日本にはそういう |
| 抜本的な見直しが求められているのかもしれません。旧態然たる物差しやしきたりを |
| いつまでも続けていると急激な変化に対応できなくなってしまうかもしれません。 |
| | | |
| 3.変化に対応できる生活態度に変革しよう |
| 因みに筆者には海外で聞かされた次の二つのことが思い出されます。 |
| 1)一つは「変化にうまく適応した人がチャンスを掴むのです。」 |
| 2)もう一つは、「変化の“瞬間”に新しい“価値”や“市場”が生まれているの |
| です。」ですが、全くその通りだろうと思います。他にも次のような格言的な |
| 文章を何年か前に何人かの文化人の座談の席で聴いたように記憶しています。 |
| ・慣習と常識の複合体としての文化は、世界の多くの地域で、極めて長い時間に |
| わたって発展してきて今日の姿になっている。 |
| ・文化の進化発展は、知ること、感じること、そして行動することなどの心理プ |
| ロセスの集積からもたらされる。各個人は文化的多様性を深く理解した上で、 |
| 異なる文化圏の形成を良く考察する必要がある。 |
| 筆者の感じでも、現在が正にその瞬間の時期に当たっていると思います。 |
| 俗な格言で、「北京で蝶が羽ばたくと、ニューヨークで嵐が起こる。いわゆるバタフ |
| ライ効果(?)で、小さな要素でも大きな現象に影響を及ぼす」とさえ言われる現在 |
| です。 |
| | | |
| 4. 「自然」と「現実」をしっかり分けて考えよう |
| 何事も自然に任せれば良いというものではなく、自然と現実はしっかり区別して対 |
| 処することが必要でしょう。もう少し専門的に議論するなら、日常性、アクチュアリ |
| ティ(Actuality)つまり、眼に見える、音に聞こえる、触って感じられる、温かい・ |
| 冷たいの触感がある。臭いがあって、味がある等のいわゆる五感に与えられるものを |
| 一つの「現実」と考え、五感全てを備えているものを物と呼び、その中で、非常に強 |
| く現実だと考えるものをリアリティ(Reality)と区分します。 |
| 自然は、人為的にああしたらこうなるが成り立たない世界を言います。 |
| 昔枕詞(まくらことば)としては「掛け替えのない」が使われ、“一つしかない”を |
| 表しており、人間もその中に入ります。この世界の事象に特徴的なことは“狼狽(う |
| ろた)える”があります。現実には「自然」と「意識」の二つがあり、自然は身体で、 |
| 自分の思うようにはならぬが、意識の世界は自分の思うようになります。 |
| | | |
| 1.はじめに |
| アメリカ合衆国(以下本文中ではアメリカと略す)の世界が認める寛容さは、アメ |
| リカ政治に詳しい一橋大学名誉教授の野口悠紀雄氏も数々の著作の中で書かれている |
| ように、アメリカの豊かさの本質にあったと思う。特に低開発国も含めた世界の国々 |
| から移民や留学生を受け入れ、教育や自己啓発の機会を与え、彼らを優秀な人材とし |
| て育て、一部の人々は本人の希望があればアメリカの政治や科学、文化の上部機関に |
| 迎え入れて、自国の経済、軍事、科学の発展に大きな貢献の力を引き出してきた。 |
| ところが、現在の第2期トランプ大統領の時期に至り、皆様もご承知の通り、気候 |
| 変動や感染症対策、ワクチン製造などの分野で世界の他国の考えに否定的な立場を取 |
| ったり、科学研究費を削減したり、研究者を締め付けるだけでなく、海外各国から迎 |
| え入れた優秀な人材を国外に追い出し、従来の寛容さの根源であった国外の頭脳を吸 |
| 収することをも機能不全にするような学生や学者の入国ビザに制限を設け、殊更に関 |
| 税を一方的に引き上げて、世界の自由貿易体制にも厳しい制約を課すなど、筆者には |
| アメリカの歴史的な寛容さに対して真逆の、水を差すような政策を強行しているとし |
| か思えない。 |
| | | |
| 2.アメリカ製造業がファブレスになった結果!? |
| 2000年頃からアメリカ経済で顕著なことは、製造業がファブレス(製造業でありな |
| がら製造工場を持たないこと)によってより高度な段階になったことである。多分こ |
| う書いただけでは真の意味は通じないことだろうと思われるが、要するにアメリカの |
| 国内で実際にアップルやエヌヴィディアなどがその代表的な実例である。これはアメ |
| リカに言わせれば製造業の衰退ではなく、新しい形態に進化したことだと説明される |
| が、これが今、鉄鋼や自動車産業などのアメリカの誇りとしていたかつての製造業を |
| トランプが国内に回帰させようとして躍起になっているときに、改めて問題として顕 |
| 在化したのである。 |
| 日本もまた少なからず、アメリかが辿った道順と方策を受け継いで、斜陽化した家 |
| 電、工作機械、造船等々の世界市場での競争力に苦戦を強いられているのはご承知の |
| 通りであるが、今回の論議の直接の課題からは離れるので、これ以上の考察は行わな |
| いことにしたい。 |
| アメリカの製造業を昔の姿に引き戻そうとする政策は、一方では張本人である例え |
| ばアップルやエヌヴィディアなどが現実問題として自社に課せられる海外からの輸入 |
| 製品に課せられるであろう新関税を回避するために、アメリカ国内への投資を切り出 |
| しているが、これを実行しても本格的に雇用が戻ったり、製造技術に長けた労働者が |
| 急増できるとは思えない。アメリカの悩みどころとなるであろう。 |
| | | |
| 3.トランプ第2期政権の政策、特に大統領令の発布はアメリカ建国の理想と |
| 民主主義の大原則実現のための三権分立に反するとする多くの識者の論調 |
| と対立しているが、これをどう処 理するのだろうか? |
| 大統領個人の権限が逸脱することのないように、司法、立法、行政の三権分立がア |
| メリカの建国以来の大きな支えであり拠り所となっている。にもかかわらず、大統領 |
| 令を議会に諮問することなく、直接あとからあとから発布されていることが多すぎる |
| ため、例えば問題視されている特別関税についてもアメリカ最高裁で目下審理中であ |
| るが、近々出されるこの結果が待ち遠しいと同時に万一違憲判断が下されたら、アメ |
| リカ社会はどういうことになるのか、甚だ難しい局面に追い込まれ、世界のリーダー |
| の座から降りねばならなくなるのではなかろうか。 |
| | | |
| 4. おわりに |
| トランプ第2期政権の施策の中には上記の他にもたくさんの矛盾した問題や理解に |
| 苦しむことが多々あり、とても世界をリードする国のやることとは思えないことが目 |
| に付くが、アメリカがそのようにあまりに自国のためにと、卑近のことばかりに気を |
| 取られていると、回り回って自ら窮地に陥ることに成り兼ねないのではなかろうか? |
| 製造業のファブレス問題もその典型的な好例だと筆者には思える。日本としてもアメ |
| リカ国内で展開する自動車製造や新しい日本製鉄のUSスチールの買収問題等々成り行 |
| きによっては今後の我が国の進路どころか、産業界全般の発展成長に重大な影響をも |
| たらすことであるから、これから先の推移にも留意を怠ることなきようにしたいもの |
| だとしみじみ感じる次第である。 |
| 近い将来、幾分かの結論が出揃い始めたところで、続編を考察することにして、今 |
| 回はこの辺りで筆を置くことにしよう。 |
| 了 |
| 2025年12月1日 記 |
| | | |
| 1.気軽に書こうエッセイ |
| エッセイは英語のスペルでは“essay”となりますが、これは原典のラテン語では |
| 「試みる」、「試す」、「吟味する」を意味する“essayer”を名詞化したもので、 |
| フランス語では“essai”となります。もともとエッセイとは、本格的な長編の論文 |
| や小説ではなくとも人生に関係するあらゆる事柄即ち、自分が好きでやっている研究 |
| であっても、求めている快楽でも宗教でも教育でも、それこそ読書でも音楽でも政治 |
| でも、果ては旅行でも病気のことでも死についてでも恋愛についてでも自分の意思で、 |
| 思うところを自由に制限なく綴ってみようとするものなのです。ですから、我流の感 |
| 想文で充分なのです。筆者にはもっともっと多くのエッセイストが生まれても良いの |
| ではなかろうかと思ってしまうのですが、皆様は如何思われますか。 |
| | | |
| 3.「三頭の蝶の道」 |
| このタイトルとして取り上げた「三頭の蝶の道」は、作家の山田詠美さんが2025年 |
| 10月に河出書房新社から出された書下ろし作品の題名です。 筆者が話題にしようと |
| したのは、この題名に使われている三頭という蝶の数え方の正式な単位を大変珍しく |
| 感じたためなのです。と言いますのは、普通なら蝶の数は一匹、二匹、三匹と呼ぶの |
| が普通ではありませんか。筆者は幼少の時から蝶・蛾を共にして育ち、昆虫少年時代 |
| をずっと続けて今日に至っていますので、蝶の正式な数え方が、一頭、二頭、三頭で |
| あることはかなり幼年時代から知っていたのですが、畑の違う分野に育った人達で子 |
| の数え方をする人には少なくとも筆者はお目に掛かっていなかったからです。山田詠 |
| 美さんがこの数え方を知っておられて、小説の題名にされるなど本当にびっくりだっ |
| たのです。 |
| そして本文の第1章2015の副題2の締め括りの部分で、「あなた、蝶は一頭、二頭 |
| と数えるのよ」「え?そうなんですか?」「そう。あの蝶たちは、いつも、同じ道を |
| 舞いながら行くのよ。蝶にしか見えない通り道。そういうの、蝶の道と呼ぶの。」と |
| 書いておられるのです。 |
| このように蝶の習性までも小説に中で展開されておられるので、相当な所謂“通” |
| なのだ!と認識させていただいた次第です。筆者は勿論嬉しく取り上げたいと思って |
| いるのですが、不思議に思われる方々もきっと多かったことでしょう。 |
| | | |
| 4.“はればれと やまとしじみの 湖(ウミ)に生(イ)く” |
| 時々朝か夕の食事の際、家内からサーブされるしじみの味噌汁に接する度に、主題 |
| に掲げた俳人夏井いつきが山陰の宍道湖で獲れる“やまとしじみ”を詠んだ句を思い |
| 出すのです。貝のしじみと対になって筆者の脳には保存されているもののようです。 |
| 特別食い意地が張っているためではないと思っていますが、日本各地の地名と深く結 |
| び付いた旨い物については、たった一度だけホテルや旅館、レストランや料亭でお目 |
| に掛かったものでも、以後絶対に忘れることなく味わってみたく思ったり、進んで自 |
| 分の方からチャンスを求めたく思う気持ちに強く惹かれることがあり、やはり相当の |
| 食いしん坊であることを辞任しなければならないのであろう。豊後水道の関サバ、関 |
| アジ、下関他山口県各地の河豚(現地では福に掛けて“フク”とよぶが・・)、浜松 |
| のウナギ、鳥取の松葉ガニ、江戸前のアナゴ等々主に海鮮料理がその主役になるよう |
| ですが・・ |