連 載『 マウイよいとこ一度はおいで! 』 茅ヶ崎市 三橋 春夫
 
          話  題  一  覧
2009. 6.14 マウイよいとこ一度はおいで!(1)     投稿;三橋春夫
2009. 6.28 マウイよいとこ一度はおいで!(2)     投稿;三橋春夫
2009. 7.12 マウイよいとこ一度はおいで!(3)     投稿;三橋春夫
2009. 7.26 マウイよいとこ一度はおいで!(4)     投稿;三橋春夫
2009. 8. 9 マウイよいとこ一度はおいで!(5)     投稿;三橋春夫
2009. 8.23 マウイよいとこ一度はおいで!(6)     投稿;三橋春夫
2009. 9.13 マウイよいとこ一度はおいで!(7)     投稿;三橋春夫
2009. 9.27 マウイよいとこ一度はおいで!(8)     投稿;三橋春夫
2009.10.11 マウイよいとこ一度はおいで!(9-1)    投稿;三橋春夫
2009.10.25 マウイよいとこ一度はおいで!(9-2)    投稿;三橋春夫
2009.11. 8 マウイよいとこ一度はおいで!(9-3)    投稿;三橋春夫
2009.11.22 マウイよいとこ一度はおいで!(9-4)    投稿;三橋春夫
2009.12. 6 マウイよいとこ一度はおいで!(9-5)    投稿;三橋春夫
2009.12.20 マウイよいとこ一度はおいで!(9-6)    投稿;三橋春夫
2010. 1.10 マウイよいとこ一度はおいで!(9-7)    投稿;三橋春夫
2010. 1.24 マウイよいとこ一度はおいで!(9-8)    投稿;三橋春夫
2010. 2. 7 マウイよいとこ一度はおいで!(10/最終回) 投稿;三橋春夫

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          話  題  『 よもやま話 』
2008. 6.14 三橋 マウイよいとこ一度はおいで! (1)
  マウイよいとこ一度はおいで! (1) 茅ヶ崎市 三橋春夫
  1話 マウイ島の歴史
 はじめに
 OB会幹事会が終わり、有志で飲み屋の席上、「また行くの?マウイ島の記事を書
いて!」ということになった。5月のOB会一泊バス旅行は「スパ・リゾート・ハワ
イアンズ」へ泊まり、フラ・ショー、タヒチアン・ダンス、ファイア・ダンスなど心
ゆくまで楽しんだ。
 そこで、「旅行記」ではなく、マウイ島の歴史、産業、植物、タロイモ、レイとフ
ラ、魚、そして、マウイ島で楽しむスポーツとアクティビティ、更にマウイ島の観光
案内などにスポットを当てて「紹介記」をまとめることになった。題して、マウイよ
いとこ一度はおいで!
 1988年(S63年)、私たち共稼ぎ夫婦は退職後の余暇の過ごし方を話し合った。そ
の一つが海外でのロング・ステイを楽しむことであった。そして、大阪に本社がある
某リゾート会社が募集していたリゾート会員権を買い、ハワイ(マウイ島)のメンバー
となった。
 その2年後、家内とカナダ、アメリカを旅行中、シアトルのゴルフ場で知り合った
同市在住のビル&ドロシー夫妻が3ヶ月間マウイ島へ滞在するとの手紙をもらい、同
夫妻との再会と建設中のリゾート・ホテルを確認がてらマウイ島へ初めて出掛けた。
それから19年間、多い年には年3回も往復するなどマウイ島の魅力にすっかり取り付
かれてしまった。
 マウイ島はハワイ諸島の一つで、中央部に位置し、ハ ハワイ諸島の地図
ハワイ諸島の地図
ワイ主要8島の内で2番目に大きい島である。(1番は
ハワイ島、2番がマウイ島、3番がホノルルのあるオア
フ島、以下省略)そして、ハワイの他の島々と同様に火
山活動によって生まれた島である。豊かで変化に富んだ
自然を有するところから「渓谷の島」と呼ばれている。
 マウイ島は数十万年前に、ハレアカラ火山(標高3,055
m)を抱く東マウイと、イアオ渓谷のあるプウ・ククイ
山(一般名ウエスト・マウイ山/標高1,765m)を中心とした西マウイの二つの火山島
が噴火によって繋がり、今のマウイ島になったと言われている。
 この島の山々、空気、風、海、花、そして、マウイ出身の人気力士であった高見山
のようなアロハ・スピリットの人々が、とても優しく旅行者を迎えてくれることで、
マウイの自然は女性的であると言われる。母なる島<マザー・アイランド>と呼ぶ人
も多い。
マウイ島の地図
マウイ島の地図
 女性的と言えば、マウイ島の形は横を向いた女性の上
半身に似ている。そういう私たちも場所をいうとき、女
性の部位で会話することが多い。
 1790年、カメハメハ大王は武装船団を率いてカフルイ
港からマウイ島に上陸、プウ・ククイ山の裏側にあるイ
アオ渓谷の戦いで、当時マウイを治めていた王のカヘキ
リ軍を倒し、マウイをその支配下に置いた。これを機に
大王はハワイ諸島統一とハワイ王朝の繁栄に生涯をささ
げたことで、毎年6月にはハワイ各地で「カメハメハ・セレブレーション」という大
王の功績をたたえるフェスティバルが開催されている。
カメハメハ大王の銅像
カメハメハ大王の銅像
イアオ渓谷と清流
イアオ渓谷と清流
アクティビティ・ツアーで賑わうラハイナ・ハーバー
アクティビティ・ツアーで賑わうラハイナ・ハーバー
 大王はカアフマヌ王妃とともに、ラハイナ(後、アメリカの捕鯨船の基地として栄
えたが、現在はマウイ島の観光街)に居を移した。大王にはもう一人の高名な妃があ
り、彼女との間に後のカメハメハT世・リホリホと、同じくV世・カウイケアオウリ、
そしてナヒエナエナ王女をもうけている。
 1819年にカメハメハ大王が亡くなると、この地をリホリホがカメハメハU世として
王位を継承し、ハワイ島コナからラハイナへ王国首都を移し、その後、1845年まで、
この街はハワイ王朝の中心地として栄えた。(その後、現在のオアフ島のホノルルが
首都となる)
 1819〜1840年にかけてラハイナは捕鯨産業でも大いに栄えたが、前後して、アメリ
カ大陸で石油採掘が開始されるや捕鯨産業は衰退の一途をたどった。
 1823年、キリスト教の宣教師や伝道団が移住し、更に白人が移住し始めた結果、あ
らゆる伝染病を持ち込み、これらに抵抗力がなかった多くのハワイアンを死に追いや
った。文献では20万人前後いた人口が100年間で約4万人にまで減少したと言われる。
免疫力がないため命を落とした話に、1824年、カメハメハU世と奥方のカママル王妃
は旅行先のロンドンで麻疹にかかり亡くなっている事実がある。
 1849年、ジョージ・ウイルフォンという人がマウイ島 ラハイナのかつての牢獄跡
ラハイナのかつての牢獄跡
でも僻地であったハナ地区に砂糖キビ農園を始めて以来、
マウイ全島に砂糖キビ畑が拡大され、1950年代までマウ
イの主要産業であった。
 砂糖キビ産業の全盛時代にハワイアンの人口減による
労働不足を補うため、最初のハワイ労働者移民となった
のは293名の中国人と言われる。その後、ドイツ人、ノル
ウエー人とスウエーデン人、スコットランド人、日本人、
ホテル「パイオニア・イン」
ホテル「パイオニア・イン」
イタリア人、韓国人、スペイン人、ロシア人、フィリピ
ン人の順に世界の各地から移民が進められた。
 1901年、捕鯨船団の基地となり、海の荒くれ船員たち
で活気づいていた反面、犯罪が増加していたラハイナの
街も、捕鯨産業の衰退により街は静けさを取り戻し、ホ
テル「パイオニア・イン」がオープンした。1950年まで、
マウイは元よりアメリカ本土にも知名度の高いホテルと
して繁盛した。
 1926年、マウイ島の僻地・ハナを結ぶリアス式海岸沿 ハワイ州の旗
ハワイ州の旗
いに、56の橋と617のカーブを有する運転技術が求められ
る狭い道路が完成した。
 そして、マウイ島を含むハワイ諸島がアメリカ合衆国
の第50番目の州となったのは1959年の8月21日であった。
 
 
 
 
2008. 6.28 三橋 マウイよいとこ一度はおいで! (2)
  マウイよいとこ一度はおいで! (2) 茅ヶ崎市 三橋春夫
  2話 マウイ島の産業
マウイ島空の玄関口・カフルイ空港
マウイ島空の玄関口・カフルイ空港
 ホノルル国際空港でハワイアン航空へ乗り継ぎ、カフ
ルイ空港まで約30分。ガヴァのジュースかコーヒーの簡
単な機内サービスだけで到着する。
 マウイ島にはカフルイ空港の他にアイランド・エアー
やコミュッター・エアーの小型機やプロペラ機が離発着
するカパルア・ウエスト・マウイ空港とハナ空港がある。
〈二階建て赤い屋根が特徴のカフルイ空港〉
 
 水路はカフルイ空港の近く、女王様の首の部分カフル ハワイ諸島巡りの豪華客船
ハワイ諸島巡りの豪華客船
イ湾に大型船舶が係留できるカフルイ港があり、ドライ
ブ中によくハワイ島巡りで立ち寄っている真っ白な船体
の大型客船を見かける。
 マウイ島の面積は、およそ1,902.3ku、東京都より
ひと回り小さく、人口は正確なデーターはないが、約14
万人で日系人も多く住居している。
 マウイ島で、個人観光客が一番困るのは交通機関では
ないだろうか。ホノルルのあるオアフ島と異なり公共の交通機関は無に等しく、レン
タ・カーがないと身動きがとれなかったが、最近、島内のカパルア、カアナパリ、ラハ
島内を走るトロリーバス
島内を走るトロリーバス
イナ、マアラエア、キヘイ、ワイレア、カフルイ、ワイルク、
パイア、ハイク、ハリイマイル、マカオア、プカラニなどの
島内主要箇所に8路線のバスが運行されている。
 乗り継ぎの不便さはあるが、行動半径が広がったこと
は間違いない。それとは別に、ホテル間を巡回するシャ
トル・バス、チップ程度で近場なら送迎してくれるホテ
ルの送迎用バンもある。お金のある人はタクシーが便利
である。
 さて、マウイ島の産業は何か?と言われると、ちょっと答えに困る。一般には、マ
ウイ島の主な産業は砂糖キビ、パイナップル、コーヒー、ワインなどの農業とハレア
カラ火山の麓の牧場を利用しての酪農であろう。ただし、砂糖キビはかつてのように
島を代表する産業ではなくなっている。
 島の前に見えるマウイ郡に所属するモロカイ島、ラナイ島を含めた3島の土地の内、
約1/4にあたる760kuが牧場、また、190kuが砂糖キビ畑として、更に38kuが
パイナップル畑として使用 キング・プロテアの花
キング・プロテアの花
マウイ・オニオン<普通の玉葱より少し小振り>
マウイ・オニオン<普通の玉葱より少し小振り>
されていると言われている。
 最近では観光業が最大の
収入源で、1973年には76万
人だった観光客が、2004年
には約220万人を数え、オア
フ島に次ぐ2番目の数字で
ある。
 オアフ島を訪れる観光客の60%がアメリカ本土からと言われるのに対して、マウイ
島は観光客の87%がアメリカ本土から、次がカナダとなる。日本人の観光客比率はま、
だ低い。特に、2000年代に入り、カアナパリ、カパルア地区に次ぎ、近年はワイレア
地区がアメリカ国内でもトップ・クラスのリゾート地となり10数億円前後の高級別荘
の建設が盛んである。
10億円前後の高級別荘〈イメージ1〉
10億円前後の高級別荘〈イメージ1〉
10億円前後の高級別荘〈イメージ2〉
10億円前後の高級別荘〈イメージ2〉
 しかし、サブ・プライム・
ローン問題に端を発した米
国経済の悪化に伴い、昨年
は別荘建設が中断されてい
るところが見られたが、今
年の3月に訪れると結構完
成しており入居者が増えて
いた。金持ちは大勢いるの
だというのが実感であった。
 現在のマウイのホテル・ルーム数は約9,000室近くで、その50%以上がラグジュア
リー・クラスと呼ばれる普通以上の部屋であり、オアフ島の8.8%、カウアイ島の
11.1%と比べると際立って高い率を示している。マウイ島が高級リゾート地と言われ
るゆえんである。2010年にはフランス系資本のホテルはワイレアに進出する計画があ
るという。
 また、アメリカ本土から キヘイ地区「マウイ
キヘイ地区「マウイ バニアン」
同部屋の内部
同部屋の内部
訪れる長期滞在者のための
経済的で、必需品や条件が
整っているコンドミニアム
のユニット数は10,000以上
と言われおり、現在も新し
いコンドミニアムが誕生し
ている。
 
2009. 7.12 三橋 マウイよいとこ一度はおいで!(3)
  マウイよいとこ一度はおいで! (3) 茅ヶ崎市 三橋春夫
  3話 マウイ島の植物
 OB会HPの風物詩に皆さんから素晴らしい季節の花や景色などの写真をいつも楽
しく拝見している。しかし、私は花の美しさに惹かれるが、名前、原産地、特徴など
を覚えようとはしなかった。
 そんな私がマウイ島に通う内に、宿泊先のリゾート・ホテルの広大な敷地に咲いて
いる草花・植物に興味を持ち、デジカメで撮影し、植物図鑑と照合しながら、やっと
数種類の花や木の名前を覚えることができた。
 文献によると、ハワイの植物は固有の植物と外来の植物が混ざり合い、その種類は
1万を越え、その多くが外来植物であると記されており、植物学者でも全容を把握す
ることができないと言われる。
 ハワイの植物相は18世紀末にキャプテン・クックが来島するまでは約千種の種子植
物の内、ハワイ諸島にしか見られない固有植物の比率は90%近くであったと言われて
いる。これは、ハワイ諸島がもっとも近い大陸でも4,000q近く離れている「絶海の
孤島」であったことが要因と考えられるとの説がある。
 ハワイを訪れると、ブーゲンビレア、プルメリア、ヘリコニアなどハワイをイメー
ジする植物と思っていたが、植物図鑑によると、これらも外来種であった。
 私自身、ハレアカラ火山の麓、クラで栽培されているプロテアはマウイ島の花と思
っていたが、2007年の南アフリカ旅行で、こちらが原産地ということを初めて知った。
 6世紀から12世紀にかけて、ハワイ諸島にマルケサス諸島やタヒチからの島民が集
団で移住した。彼らは新天地での生活に欠かすことのできない植物を持ち込んだ。
例えば、コー(さとうきび)、ウル(パンノキ)、タロ(タロイモ)、マイア(バナ
ナ)、ウアラ(サツマイモ)は食用、ククイは燃料、カマニ、ニウ(ココヤシ)はカ
ヌーや家具・建材、ミロ、イプ(ヒョウタン)は食料保存箱や水を運ぶ容器、ハウ、
ノニ、ウル、カヴァ、オレナ、ピアなどは薬用、オヘ(タケの一種)、イプ(ヒョウ
タン)、ニウ(ココヤシ)は楽器、ハウ、ワウケ、ニウなどはロープ、敷物や衣服な
どに活用した。芳香のあるオレンジ色の花を咲かすコウ、キー、そして、ククイの花・
葉・実などはレイの素材として現在も利用されている。
 宿泊先のリゾート・ホテルではいつも綺麗な花が宿泊客を温かく迎えてくれる。
その幾つかを紹介しよう。
ハイビスカスの花 
ハイビスカスの花 
ブーゲンビレア
ブーゲンビレア
ピンク・ジンジャー 
ピンク・ジンジャー 
 
イエロー・ポイの花
イエロー・ポイの花
クイーン・エマ・リリー
クイーン・エマ・リリー
ヘリコニア・プシッタコルム
ヘリコニア・プシッタコルム
 
アフリカン・チューリップ・ツリー
アフリカン・チューリップ・ツリー
アフリカン・チューリップ・ツリー
アフリカン・チューリップ・ツリー
ナンヨウサクラ
ナンヨウサクラ
 
2009. 7.26 三橋 マウイよいとこ一度はおいで! (4)
  マウイよいとこ一度はおいで! (4) 茅ヶ崎市 三橋春夫
  4話「タロイモ(カロ)の話」
 ハワイと言えばタロイモ(カロとも言う)を思い浮かべる。タロイモは私たち日本
人の米と同じく、日常生活に欠くことのできない作物である。
ルアウ・ショーではビュッフェ・スタイルの料理の中に必ずタロイモ料理がある。
ルアウ・ショーの「ルアウ」はハワイ語で宴会の意味だそうだ。また、「ルアウ」の
単語本来の意味は、「タロイモの若葉」というらしい。肉や魚などをタロイモの葉と
ココナッツ・ミルクで煮込んだ料理のことも「ルアウ」と呼ぶとか・・。
「ルアウ」は若者二人によるカルア料理でスタートする(イメージ)
「ルアウ」は若者二人によるカルア料理でスタートする(イメージ)
出来立てのカルア・ピッグをさばくコック(イメージ)
出来立てのカルア・ピッグをさばくコック(イメージ)
 「ルアウ・ショー」には
地面に穴を掘って造ったか
まどに、豚一匹を丸焼きに
したカルア料理が振舞われ
「ルアウ」がスタートする。
 「ルアウ」は古くは戦で
の勝利、子どもの誕生、結
婚などの吉ごとに行われて
いたように、元々は神事・宗教的な行事であり、当時は男女別々のものであったよう
だ。これが、カメハメハU世により、これらの古い習慣が改められて、男女が一緒に
参加できる宴会や酒も解禁となったのは19世紀後半からとされる。今では、パーティ
など全て「ルアウ」の時代である。
 話は戻るが、タロイモの根茎を蒸して、水を加えながら潰してペースト状にしたも
ので、現地では「ポイ」と呼ばれハワイアンの食卓を飾る。ハワイでは赤ちゃんの離
乳食に用いられたり、発酵させたり、焼いたり、茹でたりして食べる。「ポイ」は一
見、日本のこし餡のような紫色をしているが、決して美味しい料理とは思えない。
しかし、タロイモは、ハワ 伝統的なタロイモ料理「ポイ」
伝統的なタロイモ料理「ポイ」
「開演を待つルアウ・ショーの料理」(イメージ)
「開演を待つルアウ・ショーの料理」(イメージ)
イでは単なる食料用植物で
はなく、ハワイの四大神の
一つである「カーネ」から
誕生した植物であるとされ
るため、大変神聖な植物と
言われている。
 タロイモをハワイ人だけ
の食卓だけではなく脱ポイを目指して販売されている味つき一口ポイ、タロイモ・チッ
プス、タロイモ・アンパン、ポイ・チーズケーキなどがある。他人ごとのようである
がヒット商品になることを願っている。
タロイモ畑風景(イメージ)
タロイモ畑風景(イメージ)
同じくタロイモの水田
同じくタロイモの水田
 ハワイ諸島は火山の島で
ある。そして、自然が豊富
な島である。水も豊富、狭
いながらも平地があり、渓
谷があり、海に通じている。
その地形を利用してタロイ
モの栽培はハワイ先住人の
努力により各島で栽培され
ているが聞いた話では、カウアイ島では他島に比べて大規模に栽培されているようだ。
 マウイ島の西マウイの山は、ハワイでも二番目に降雨量の多い場所であり、この豊
富な雨水を利用してタロイモの栽培が続けられている他、ハレヤカラ火山の裏側にあ
るハナなどの一部で栽培されている。この地では毎年4月末に、ハワイの伝統の植物
タロイモを主とする食のイベント「イースト・マウイ・タロイモ・フェスティバル」
が開催される。タロイモを食材とした料理が味わえる他、フラ、ライブ・ミュージッ
クなど盛りたくさんの催しがある。
収穫されたタロイモ(イメージ)
収穫されたタロイモ(イメージ)
日本のサトイモ
日本のサトイモ
 そのタロイモの原産地は
インドやインドネシアで、
日本のサトイモは同種であ
る。現在、ハワイ以外でも
ポリネシア、ミクロネシア、
メラネシア、アメリカ、東
南アジアなどの暖かい地域
で栽培されている。
 
2009. 8. 9 三橋 マウイよいとこ一度はおいで! (5)
  マウイよいとこ一度はおいで! (5) 茅ヶ崎市 三橋春夫
  5話 レイとフラの話
 ハワイと言えばレイ。ハワイに旅行された方の中には、空港で出迎えの女性からレ
イを首にかけてもらい歓迎されたことがおありだろう。
 レイは元々、ポリネシアの島々ではいろいろな悪霊のお払いやお守り、神々の怒り
を鎮める神事などの儀式に使用されていたようだ。使用されていた材料・物質は、貝、
海草、植物、頭髪、骨、石などが使用されていたとのこと。特に、ポリネシア島々で
信じられていた宗教において、超人的な力・能力や魂を意味するマナは、サメの歯や
クジラの歯、更に王様の骨とか頭髪には悪霊を払い、神々の怒りを鎮める特別なパワ
ーがあると信じられていた。
 その後、上記の材料・物質から少しずつ今風の花を使用したものが表れ、18世紀末
にキャプテン・クックが来島した時代以降は友情や愛情を表す役割となり、花のレイ
が定着したと言われる。
 今では、友情、愛情の象徴として、誕生日、冠婚葬祭、祭日、そして、我々観光客
にも身近なものになった。そして、レイの用途は更に進み、結婚式では紙幣をレイに、
子どもの誕生日パーティにはキャンディのレイなどいろいろある。
 文献によると、ハワイ諸島ではシンボルとしてのレイと色が決まっているという。
ケラニ(マウイ島の花/英語名:ダマスク・ローズ)
ケラニ(マウイ島の花/英語名:ダマスク・ローズ)
イリマ(オアフ島の花)
イリマ(オアフ島の花)
ククイ(モロカイ島の花)
ククイ(モロカイ島の花)
マウイ島はロケラニ(ダマスク・ローズ)のディープ・ピンク。オアフ島はイリマの
イエロー・オレンジ、モロカイ島はククイのシルバー・グリーン、
オヒアレフア(ハワイ島の花)
オヒアレフア(ハワイ島の花)
カウナオア(ラナイ島の花)
カウナオア(ラナイ島の花)
モキハナ(カウアイ島の花)
モキハナ(カウアイ島の花)
 
ハワイ島はオヒアレフアの赤、ラナイ島はカウナオアの ニイハウ島原産の貝で作られるニイハウ・シェル
ニイハウ島原産の貝で作られるニイハウ・シェル
オレンジ・ゴールド、カウアイ島はモキハナの紫、
そして、ニイハウ島は花ではなく、ププと呼ばれる白い
ニイハウ・シェルである。
 レイは新鮮で香りが重視されてきたが、それぞれの植
物・花には意味があり、それにより用途も異なったよう
だ。香りのよいマイレは中国やインドが原産地。ジャス
ミンなどの花を使用したレイは南アジアである。マイレ
のレイは戦いの休止や終了を祝って使用されていたが、いきさつは分らないが、今日
は歓迎や祝福、愛情などを表すアトハの精神を象徴するものとして、結婚式他に広く
使用されている。
 レイの種類は、一種類の花でつくられたシンプルなものをクイ、編み込みタイプの
ものをヒリ、数種類の花で豪華なものに仕上げたハクがあり、着ける部位によりレイ
の名前が異なる。頭につけるレイ・ポ・オ、首にかけるレイ・アー・イー、手首につ
るクーペ・エ・リマ、足首につけるクーペ・エがある。
 スーパーマーケットのセーフ・ウエイやフードランドなどで売られているのは上記
のマイレ、ジャスミン、コウ、プルメリア、ラン、オーキッド、ホワイト・ジンジャー
フラダンサーとレイ
フラダンサーとレイ
レイをかけたハッピーなおじさん
レイをかけたハッピーなおじさん
などのポピュラーなものだ。
 
 
 
 
 
 
 
 レイは、上のハッピーなおじさんのようにネックレスのように首から胸にたらすの
は正しくなく、写真の女性ダンサーのように前と後との長さを均等にして掛けるのが
正しい方法らしい。
 ハワイ各地では、毎年5月1日は「レイ・デー」である。この祭の起源は、1928年
にさかのぼる伝統の行事である。当日はレイを首に掛けた人で街はいっぱいになる。
同じく、6月11日はカメハメハ大王の日、ホノルルの大王の銅像が、たくさんの美し
いレイで飾られている写真をどこかでご覧になられた方もおられるだろう。
 レイと切っても切れない関係にあるがフラ(ダンス)である。フラは本来、神へさ
さげる敬虔な踊りで、祈りの儀式とともに行われた。この儀式は特別に修練を重ねた
男性のみが踊ることが許されていた。今はオアフ島をはじめ、ハワイ諸島のイベント
会場、有名ホテルで開催されているアウアナと呼ばれるルアウ・ショーは現代風にア
レンジされたものである。
 ルアウはハワイ語で「宴」を意味する言葉であり、タロイモの葉(ル・アウ)に由
来するとのこと。本来、フラは踊りであるが、観光客を相手にフラを始めとするポリ
ネシア諸島の歌と踊りに、地面に穴を掘って作られたかまどで豚を丸焼きにした料理
他をディナーにサービスしながらのエンターティメント・ショーが著名なホテルで開
催されている。
 マウイ島ではカパルア、 ホテルで開催されるルアウ・ショーのシーン(1)
ホテルで開催されるルアウ・ショーのシーン(1)
ホテルで開催されるルアウ・ショーのシーン(2)
ホテルで開催されるルアウ・ショーのシーン(2)
カアナパリ、ワイレア地区
の高級ホテルで夕方か海辺
の広い庭園を利用し開催さ
れている。美しいサンセッ
トを楽しみながらのルアウ・
ショーは、一度はエンジョ
イしたいものである。
 一方、フラは、カフルイ地区のクイーン・カアフマヌ・センターなどのショッピン
カアフマヌ・センターとフラ・ショー(1)
カアフマヌ・センターとフラ・ショー(1)
カアフマヌ・センターとフラ・ショー(2)
カアフマヌ・センターとフラ・ショー(2)
グ・センター内や公園の一
角などで現地の人や日系の
女性が中心にフラが披露さ
れている。今年は帰途時、
珍しくホノルル空港の出発
便待合広場でフラを見るこ
とができた。
 
 
2009. 8.23 三橋 マウイよいとこ一度はおいで! (6)
  マウイよいとこ一度はおいで! (6) 茅ヶ崎市 三橋春夫
  6話 マウイ島の魚
 マウイ島で生活してゴルフは別として、夫婦ではまったことはスノーケルと食卓を
飾るマグロ(赤身)の刺身である。
 友人を同行したときは、宿泊先のロング・ステイ用のホテルの部屋で私が料理をし
食事に招待するが、和食の場合、必ずマグロの刺身を一品添える。
 友人は口を揃えて、「ハワイの刺身って美味しいの?」と言う。しかし、皆さん食
べてみて、びっくりする。実に美味しいのである。理由は、冷凍でないことである。
釣れたてのマグロがそのままスーパーの魚屋に並ぶからである。
 残念なことに、普通のアメリカ人で寿司を食べたことのある人でも、赤身は食べる
がトロの部分は余り食べないのでスーパーの魚屋では買うことができない。ある人が、
こんなことを言っていた。「食べないトロの部分は日本料理店が安く買い、寿司とし
て日本人相手に高い料金で食わしていると・・」、はて?はて? 本当であろうか?
 マグロの刺身の話しはこれで終りとして、マウイ島のキヘイからワイレア地区の沖
に三日月型をした岩(モロキニ島)がある。ここはマウイ島で最も人気のあるスノー
ケルが楽しめる最高のスポットである。
スノーケルで人気のモロキニ
スノーケルで人気のモロキニ
停泊中のスノーケル・ツアーのボート
停泊中のスノーケル・ツアーのボート
 早朝、マウイ島・女王様
の顎の部分にあたるマアラ
エア港から多数のモロキニ・
スノーケリング・ツアーの
船が出港する。小1時間程
度で到着するが、三日月型
の停泊地は30〜40隻ほどの
大小のクルーズで一杯とな
る。  海中は魚でいっぱい!1
海中は魚でいっぱい!1
 停泊場所から岩場まで40〜50mは水深10mくらいあろ
うか? 自信のない人は、浮き袋をつけて岩場近くに向
う。スノーケルのスポットは溶岩噴火の火口跡で、海底
はサンゴ礁のため透明度は最高である。ウミガメや色と
りどりの魚、エビ、ウツボまで種類が豊富である。岩場
からの距離、深さによりいろいろな種類の魚を観賞でき
る。 
海中は魚でいっぱい!2
海中は魚でいっぱい!2
 今までモロキニ島を除いて5箇所でスノーケルを楽し
んできたが、中でも私たちが宿泊するワイレア地区から
二番目に近いマケナ地区の先、アヒヒ・キナウという小
さな湾はどちらかというとビギナー向けであるが最高の
スノーケルの場所である。直径80m くらいの湾状になっ
ており、岩が無数にあるため、その範囲内では、どこも
足が届く深さである。そのほぼ中央は腰の深さ程度であ
るが、生息する魚の種類は非常に多く、お気に入りのス
ノーケル場である。そこには70cmくらいのパロット・ 大きなウミガメ
大きなウミガメ
フィッシュの雄雌がおり、毎回会うことを楽しみに訪れ
る。
 ここでの思い出は、3年前、100mくらい外に出た岩場
で、甲羅が1m 以上の大きなウミガメ二匹を見たときは
本当に感激した。
 スノーケルを楽しめるアヒヒ・キナウの入江
 
スノーケルの楽園アヒヒ・キナウ
スノーケルの楽園アヒヒ・キナウ
 アヒヒ・キナウは魚の禁猟区であり、餌を与えること
も禁止されている。日曜日にはボランティアの人がスノ
ーケルについての注意事項を説明して回っている他、州
のレンジャー・スタッフが常時パトロールしながら安全
と環境保護に努めている。
 日本人はほとんどお目にかからないが、たまに来るら
しく、ボランティアの男性が私たちに寄ってきてスノー
ケルについての注意事項を話した後、私たちが日本人と
知り、持っていた国別の説明書の内、日本語の説明書(空白であった)を取り出し、
英語の説明書を訳して、日本人用にローマ字で書いてくれと言われて家内と書いたこ
とがある。その彼は、日曜日にアヒヒ・キナウへ行くと熱心にボランティア活動を行
っている。たまに訪れてくる日本人に対して、私たちが書いた日本語説明書が役立っ
ているかも知れない。
 環境保護に力を注いでいるマウイ島で一度こんなことがあった。ホエール・ウオッ
チング・クルーズに参加したとき、当時、風が強く、参加した乗客がビニールの袋を
飛ばしてしまった。それを見たクルーズのスタッフが船を停船させ、海に飛び込み海
面に浮いているビニール袋を回収した。スタッフ曰く、「鯨やイルカがこれらを飲み
込み死ぬ恐れがあるので回収したのだ」という。「そこまでやるの・・?」と改めて
感心した次第である。
 話は反れるが、アメリカ人の鯨に対する思い入れは、我々日本人には理解できない。
哺乳動物であり、12月から4月はじめころまで、マウイ島付近にいる鯨は子育て中の
ファミリーでいっぱいである。確かに船上から見る子どもの鯨が、母親にぴったり寄
り添いながら泳いでいる姿は微笑ましい。泳ぎ方、息の仕方、餌の取り方などを教わ
っているようだ。
 そのころ、マウイ島を訪れるアメリカ本土の観光客は、アメリカ東部や西部でもシ
アトルとか寒さを逃れてくる人がほとんどである。ときには、初めて海を見たという
中央部の州の観光客も多い。それら観光客は、鯨を見て、「ベリー キュート!」とい
う。海中音響で聞く鯨の声は図体の大きい割りに、かわいい声を発している。子ども
を親鯨の潮吹きで上空に跳ね上げる姿を見たのなら、キュートの意味が理解できる。
しかし、あのグロテスクな顔を見て本当にかわいいと思うのだろうか?これ以上、批
判を書くとバッシングを受けるのでやめておきたい。
 話しを戻して、いつものようにスノーケルを楽しみ岩場で体を温めていると、太っ
た男性がダイビング・ショップかABCストアで買ったと思われる下敷き大のハワイ
の魚の写真と名前が描かれた写真を見せながら、誰かまわずに、「こんな大きな、こ
の魚を見た!」と興奮して話しているのを見て、家内と大笑いしたことがある。そこ
は、私たちと同じ!両手で示す魚の大きさが段々大きくなっていくのである。
 アヒヒ・キナウでよく見る魚をご紹介しよう。
BUTTERFLY・FISH
BUTTERFLY・FISH
悠々と泳ぐGRAY・CHUB
悠々と泳ぐGRAY・CHUB
Bullethead・Parrotfishの雄
Bullethead・Parrotfishの雄
 
CONVICT・TANG(シマハギ)
CONVICT・TANG(シマハギ)
ウツボ
ウツボ
Bullethead・Parrotfishの雌
Bullethead・Parrotfishの雌
 パロット・フィッシュの雄はグリーン色、雌はくすんだ赤茶色で、名前のとおり、
口はオウムのような形をしているので、この名前がついたのであろう。岩場の付着物
を食べるのであろうか?岩に口をぶっつけている姿を見かける。一方、ハワイ語でネ
ムエ(英語名:GRAY CHUB)と呼ばれる40cm 前後の魚は、他の魚は熱帯特有
の色をした魚の中では、見るからにまともな立派な魚である。刺身にしたら美味しそ
うな魚である。
 
2009. 9.13 三橋 マウイよいとこ一度はおいで!(7)
  マウイよいとこ一度はおいで! (7) 茅ヶ崎市 三橋春夫
 7話「マウイ島で楽しむスポーツとアクティビティ」
 マウイ島・カフルイ空港(OGG)に到着し、荷物受取場やレンタカー事務所で、当
地の「Drive Guide」、「Maui Island Guide & DRIVING Magazine」、「MAUIVISIT
OR」「Maui Driving MAP」などの冊子や資料を集める。島内の道路マップの他、観光
ガイドやスポーツ・アクティビティの広告と割引クーポン券がついている。レストラ
ン、ショッピング、ルアウ・ショーや各種アドベンチャー・ツアーの割引クーポン券
はよくチェックすると結構得をすることが多い。
 「Maui Island Guide & DRIVING Magazine」を例にページを開くと、スノーケル
の名所・モロキニ・スノーケル・クルーズ、サンセット・ディナー・クルーズ、ヘリ
コプター・ツアー、ホエール・ウオッチング(季節により海亀やイルカ)、森林と渓
谷をロープと滑車でスリルと冒険を楽しむハレアカラ・スカイライン・ツアー、ハレ
アカラの火口散策、ハレアカラの頂上で日の出を見た後、頂上から麓まで一気に下る
自転車ツアー、マウイでは一箇所しかないスポーツ・クレー射撃、スポーツ・フィッ
シング、ルアウ・ショー、サーフィング、乗馬によるエコ・アドベンチャー、カヤッ
ク、バギー・カーによるオフロード・ツアー、パラ・グライディング、パラセーリン
グ、サブマリン“アトランティス号”による海中探索、ジェット・スキー、パラセー
リング、ゴルフ等々、盛りたくさんのスポーツとアクティビティが紹介されている。
オアフ島は別にして、マウイ島は少し長めに滞在し、ゴルフやいろいろなアクティビ
ティを楽しむところである。 
           (写真注)パロット・フィッシュ=マウイ島マケナ地区
            アヒヒ・キナウ湾で見られる緑色のパロット・フィッシュ
スノーケルを楽しむ
スノーケルを楽しむ
パロット・フィッシュ(雄)
パロット・フィッシュ(雄)
パロット・フィッシュ(雌)
パロット・フィッシュ(雌)
 
ホエール・ウオッチング
ホエール・ウオッチング
ワイレア・ゴルフ・クラブ
ワイレア・ゴルフ・クラブ
マウイ島のサンセット
マウイ島のサンセット
 
 お薦めはスノーケル、ホ ハレアカラの日の出
ハレアカラの日の出
ハレアカラ山頂上から一気に降りるバイク・クルージング
ハレアカラ山頂上から一気に降りるバイク・クルージング
エール・ウオッチング、そ
れに島内15ゴルフ・コース
で楽しめるゴルフである。
マウンテン・バイクに自信
のある方はハレアカラ頂上
からのスリルを味わうのも
一生の思い出となるだろう。
ただし、技術的に問題があると判断されると事故防止のため、伴走車に無理矢理にピ
ックアップされてしまうことを知っておかなければならない。
 
2009. 9.27 三橋 マウイよいとこ一度はおいで!(8)
  マウイよいとこ一度はおいで! (8) 茅ヶ崎市 三橋春夫
  8話「イベントとフェスティバル好きなハワイアン」
 マウイ島の主なイベントは以下のものである。小さなものは割愛したが、マウイ島
はもとより、ハワイ全体がいつも楽しいイベントとフェスティバルでいっぱいである。
 1月上旬・・「メルセデス・チャンピオンシップ」 カパルア・ゴルフ・クラブのプランテーション・コース
カパルア・ゴルフ・クラブのプランテーション・コース
      賞金総額3億円ともいわれ、世界のトップ
      ・プロがマウイに集まり、7,000ヤードを
      越す難コースを競うPGAツアーは有名で
      ある。 <カパルア・ゴルフ・プランテ−
      ション・コースで開催>
 1月中旬・・「フェスティバル・オブ・フラ」
      マウイ島のフラ同好会グループなどが一堂
      に会し、フラの妙技を競うフェスティバル。 <ラハイナで開催>
 1月下旬・・「フラ・ボウル」
      全米の大学のオールスター選手によるアメリカン・フットボール、伝統
      のスポーツ・イベント。 <ワイルクで開催>
 2月上旬・・「チャンピオンシップ・スキン・ゲーム・アット・ワイレア」
      ジャック・ニクラウス、アーノルド・パー スキン・ゲーム(2007年ジャック・ニクラウスとトム・ワトソン選手)
スキン・ゲーム(2007年ジャック・ニクラウスとトム・ワトソン選手)
      マーなど往年の名選手が高級リゾート地・
      ワイレアに集結し、技を競い合う伝統のゴ
      ルフ選手権。 <ワイレア・ゴルフ・クラ
      ブ、ゴールドコースで開催>
 2月上旬・・「チャイニーズ・ニュー・イヤー」
      中国暦の旧正月を祝うお祭、獅子舞や中国
      伝統武道の演舞披露や多くの露店で賑わう。
      <ラハイナで開催>
 2月中旬・・「マウイズ・ホエール・デー・セレブレーション」
      鯨、海、マウイの自然環境をテーマにしたイベントやパレードなど。
      <キヘイで開催>
 3月中旬・・「オーシャン・アーツ・フェス・イン・ラハイナ」
      海をテーマとした芸術祭でマウイ出身のア 観光スポットから下を見れば鯨の遊泳
観光スポットから下を見れば鯨の遊泳
      ーティストの絵画展をはじめ、フラダンス、
      ミニコンサート。 <ラハイナで開催>
 同  ・・「クイーン・カアフマヌ・フェスティバル」
      カアフマヌ女王の業績をたたえ、同王妃の
      名前が付けられているショッピング・セン
      ターでフラダンス・ショーやコンサート、
      レイつくり教室で賑わう。 
      <カフルイで開催>
 4月中旬・・「バニアン・ツリー・バースディ・パーティ」
      ラハイナの名所、バニアンの大樹を祝うお 会場となる巨木バニアン・ツリー
会場となる巨木バニアン・ツリー
      祭。パーティ、アート・ワークの展示、ラ
      イブなどで賑わう。 <ラハイナで開催>
 5月1日・・「レイ・デー」
      家族や愛する人に感謝の心を込めてレイを
      贈るハワイ全島のお祭り。レイ作りコンテ
      スト、レイ・クイーンコンテスト、ハワイ
      アン・ミュージックのコンサートなど各種
      のイベントが開催される。 <ハワイ全島/マウイではワイレアで開催>
 6月上旬・・「カメハメハ・セレブレーション」
      カメハメハ大王の功績をたたえるフェスティバルで大王像にレイをかけ
      て、マーチングバンドとフローラル・パレードが行われる。
      <ラハイナで開催>
 6月中旬・・「マウイ映画祭」
      野外に特設されたステージで、ハリウッド・セレブたちも訪れるという
      恒例の映画祭も今年で第9回を迎える。 <ワイレアで開催>
 同  ・・「ウインドサーフィン・スラローム・チャンピオンシップ」
      毎年、貿易風が吹くベストシーズンに行われるスラロームレースのビッ
      グ・イベント。 <カフルイで開催>
 7月4日・・「インデペンデンス・デー・フェスティバル」
      ご存知、アメリカの独立記念日に合わせて、 マウイ・オニオンの早食いコンテスト
マウイ・オニオンの早食いコンテスト
      ラハイナで花火が 打ち上げられる。
      <ラハイナ他で開催>
 8月上旬・・「マウイ・オニオン・フェスティバル」
      特産品の玉葱に因み、料理コンテストや生
      の玉葱早食いコンテストなどのエンターテ
      インメントなどで賑わう。
      <カアナパリのホエラーズ・ビレッジ>
 9月中旬・・「アロハ・フェスティバル」
      ハワイ州最大のイベント。ハワイアン・ミュージックとフラを中心に、
      ハワイ文化に関する展示やイベントやパレードも盛大に開催される。
      <ハワイ全島で開催>
  同  ・・「マウイ・マラソン」 完走して喜ぶランナー
完走して喜ぶランナー
      現在はホノルル・マラソンの方が有名であ
      るが、ハワイで一番古いマラソン大会で、
      カフルイからカアナパリまでのフル・コー
      スで開催される。
      (ゴール地点では楽しいイベントも開催)
      <カアナパリ>
 
 10月下旬・・「ニッサン・エクステラ・ワールド・チャンピオンシップ」
      優勝賞金10万ドルといわれる世界屈指のトライアスロン・レース。南マ
      ケナを舞台にハレアカラ火山の裾野まで走破するオフロードレースで、
      世界のトライアスロン・アスリートが競うビッグなスポーツ・イベント。
      <マケナで開催> ラハイナでのハロウイン・イベント風景
ラハイナでのハロウイン・イベント風景
 
 10月下旬・・「ハロウイン・イン・ラハイナ」
      ハワイでも最も有名なハロウイン・イベン
      トの一つで、仮装パレードが盛大に行われ
      <ラハイナで開催>
 
 
 11月上旬・・「アロハ・クラシック・ウインドサーフィン・チャンピオンシップ」
      世界中から一流の参加者を集めての世界で ウインド・サーフィン
ウインド・サーフィン
      最大級のウインド・サーフィン大会。
      <ホオキパ・ビーチ>
 
 
 
 
 
 12月上旬・・「クリスマス・ライティング・オブ・ザ・バニアン・ツリー」
      バニアン・ツリーがクリスマス・イルミネーションでライトアップされ
      最高の賑わいとなる。南国のクリスマスを迎えるムードがいっぱい。
      <ラハイナで開催>
 
2009.10.11 三橋 マウイよいとこ一度はおいで!(9−1)
  マウイよいとこ一度はおいで! 茅ヶ崎市 三橋春夫
9話 マウイ島の観光スポット
 その1・西マウイ地区(カパルア、カアナパリ、ラハイナ地区)
 マウイ島の地図で女性の頭のおでこに位置し、ゴルフをやられる方ならご存知、毎
年1月はじめに開催されるPGAトーナメント「メルセデス・チャンピオンシップ」
の開催場所、カパルア・ゴルフクラブのプランテーション・コースの他、ビレッジ・
コース、ベイ・コースのあるカパルア、同じく額の部分に位置し、いつも雲に覆われ
ている西マウイの山の麓と砂糖キビ畑、海岸沿いは 5km に及ぶ美しい砂浜と高級ホ
テルが立ち並ぶカアナパリに代表される地区である。
 その前にはたくさんのゴルフ・コースやテニス・コート、ショッピング・センター、
レストラン、各種のお店はいつも観光客で賑わっている。高級ホテル、コンドミニア
ム、レストランや各種のお店が立ち並ぶ割に、空間がたっぷりあり、ホノルルのワイ
キキと異なり、リゾート地としての条件としては最高の環境下にあるため、アメリカ
本国をはじめ、ヨーロッパや東南アジア、そして日本人の観光客もこの地を利用する
率が高いところでも有名である。 カパルア・ゴルフクラブ プランテーション・コース
カパルア・ゴルフクラブ プランテーション・コース
 その理由のひとつは、高級ホテルやコンドミニアムが
多く、ショッピング・センターやレストランも多く、そ
れらの前にある公園風の広々としたゴルフ・コース(カ
アナパリのノース・コース、サウス・コース)の存在な
どがある。マウイ島を訪れた方は必ず乗車するシュガー・
ケイン・トレインの左右に見えるゴルフ場である。
 
ホエラーズ・ビレッジ・ショッピング・センター
ホエラーズ・ビレッジ・ショッピング・センター
 このリゾート・エリアにあるホエラーズ・ビレッジ・
ショッピング・センターには、レストラン、ギャラリー、
高級ブランド・ショップが数多くあり、退屈することが
ない。また中には、ホエラーズ・ビレッジ博物館があり、
捕鯨が盛んであった1825〜1860年の歴史を見ることがで
き、一見の価値がある。
 
 
 ここから少し下ったところに、かつての捕鯨時代の基 数多いアート・ギャラリーの一つ、クリスチャン・リース・ラッセンの画廊
数多いアート・ギャラリーの一つ、クリスチャン・リース・ラッセンの画廊
地であった古都ラハイナの街がある。目抜き通りには木
造の店やレストラン、鯨やイルカなどを中心に海中の景
色を幻想的に描くクリスチャン・リース・ラッセンなど
の著名なアーチストたちのギャラリーが軒を並べるアー
ト・ギャラリー、土産物店が軒を並べている。
 
 
 1962年に、ラハイナが国立歴史保護地区の指定を受けた関係で、点在する歴史的な
建築物や史跡の見学に散策する観光客が多く、いつもメーン・ストリートは賑わって
いる。日本から移住した日本人に関係するスポットとして、ラハイナ本願寺、真言宗
法光寺、ラハイナ浄土寺などが近くにある。
バニアン・ツリー
バニアン・ツリー
 この歴史的な建築物や史跡が、最も集中しているとこ
ろがラハイナの中心部である。ここにはラハイナでのキ
リスト教布教50周年を記念して、1873年に植樹されたバ
ニアン・ツリーが今ではハワイで最大の木に成長してい
る。高さ約18m、茂みの広さは2千700平方メートル。土
日にはこの茂みの下で、アーチストの街に相応しく作品
展示・販売やいろいろな土産店で賑わう。
 
 
ラハイナの街
ラハイナの街
パイオニア・イン
パイオニア・イン
カルタゴ人2世号
カルタゴ人2世号
 
 バニアン・ツリーの横には、1901年に開業した2階建 各種クルージングで賑わうラハイナ港
各種クルージングで賑わうラハイナ港
てのホテル「パイオニア・イン」がある。
 その前の岸壁には、19世紀ニューイングランドから宣
教師を各地に送り出した2本マストの帆船を復元したカ
ルタゴ人2世号が係留されているが、船内は当時捕鯨に
使用された道具類が展示されている小規模なクジラ博物
館となっている。更に隣にはラナイ島への高速船やホエー
ル・ウオッチング、海中探索サブマリンなどクルージン
グのラハイナ港はいつも観光客でいっぱいである。
砂糖キビ列車
砂糖キビ列車
 バニアン・ツリーのあるところから歩いて10数分のと
ころに、カアナパリのプウコリ駅まで往復する砂糖キビ
列車のラハイナ駅がある。元は砂糖キビの輸送用であっ
たが現在は観光に大いに一役かっている。駅を出発し、
庶民的な住宅地を横切り、しばらくしてゴルフ場を突っ
切り、海からの心地よい風に当たりながら周りの景色を
堪能しているとハワイアン・ソングのライブが始まる。
 
 日本人観光客がいると、日本語で「上を向いて歩こう」 ゴルフ場を左右に見ながら列車は進む
ゴルフ場を左右に見ながら列車は進む
などの懐かしい歌が飛び出す。この砂糖キビ列車は全長
約6マイル。正式にはラハイナ-カアナパリ太平洋鉄道
という立派な会社なのである。ここラハイナは今でもマ
ウイ島の観光の中心地である。
 
 
 
 
2009.10.25 三橋 マウイよいとこ一度はおいで! (9−2)
  マウイよいとこ一度はおいで! 茅ヶ崎市 三橋春夫
9話 マウイ島の観光スポット
その2・中央マウイ北部地区(カフルイ、ワイルク、パイア、ホオキパ地区)
 マウイ島の玄関口・カフルイ空港へは、ホノルルから乗り継ぎの他、アメリカ本土
からの直行便がある。冬の寒い時期、常夏の島で逃避してくるアメリカ人でいつも賑
わう。
 カフルイ地区はマウイ島で唯一の平地であり、空港とカフルイ港がある関係で商業
の中心地である。港が見える一角に比較的安いホテルが数軒ある。マウイ島へ初めて
来たときは、まだ会員となったリゾート・ホテルが完成していなかったので、この内
の一軒、マウイ・シーサイドというこじんまりした庶民的なホテルに宿泊したが、子
ども連れや年寄りの利用者が多かった。このホテルの前にマウイ島のアラモアナ(オ
アフ島ホノルル)と言われる大型ショッピング・センターがある。マウイ・モール、
カフルイ・ショッピング・センター、カメハメハ大王の王妃・カアフマヌの名前を冠
にしたクイーン・カアフマヌ・センターはいつも地元の人や観光客で賑わっている。
 隣接する街・ワイルクはモロカイ、ラナイ、カホオラウエの周辺の島を管轄するマ
ウイ郡庁のあるところで行政の中心地である。郡庁の辺りから坂が目立ち始め、ウエ
スト・マウイ山の裏側に入ると、作家マーク・トウエインが「太平洋のヨセミテ」と
言わせたイアオ渓谷州立公園がある。
 イアオ渓谷の伝説は当地では有名である。先に、マウイ島の歴史で簡単に述べたが、
当時のマウイ軍の王カヘキリはオアフ島に滞在していたため、息子のカラニクプレが
カメハメハ軍との戦いの指揮をとった。結果、マウイ軍はイアオ渓谷に追い詰められ
て、ここが最後の戦場となり双方に多数の死傷者がでた。
奇岩クカエモク(通称イアオ・ニードル、標高671m)
奇岩クカエモク(通称イアオ・ニードル、標高671m)
かつて戦場で血に染まったイアオ川の清流
かつて戦場で血に染まったイアオ川の清流
マウイ島へ移住し砂糖キビ作業に従事した日系一世夫婦の銅像
マウイ島へ移住し砂糖キビ作業に従事した日系一世夫婦の銅像
 話が脱線するが、以前滞在中、観光用の日本語マガジンを見ていたら、当ワイルク
の宍戸饅頭という広告があった。家内と車で地図を頼りに店を訪ねて大福を買ったが、
戦後早々に開業した宍戸太吉さんの時代が移り、2代目、3代目で日本語は話せたが
想像していた大福の味と少し違い、餡子はアメリカ人の甘さだったことを思い出した。
ワイルクから女性の首筋にあたるワイエフ付近には日系人が多く住居していると聞く。
 ワイエフには、島で一番安くプレーができるパブリック・コース「ワイエフ市営ゴ
ルフ・コース」がある。ここで、プレーすると、ほとんどの同伴競技者は日系人であ
る。日本からの友人たちに、格段に安くプレーできるコースとしてお連れすると、前
ワイエフ市営ゴルフ・コース
ワイエフ市営ゴルフ・コース
半9ホールが海辺でのプレーのためか、皆さん大変満足
されるゴルフ場の一つである。
 資料によっては、後述のアップカントリー地区に含め
ているケースもあるが、カフルイからハナ・ハイウエー
を東に「天国のようなハナ」と言われるハナ方向にしば
らく進むと、9ホールのメンバー制のマウイ・カントリ
ー・クラブを左に見て、まもなくして簡素な木造の小さ
な店が並ぶパイヤの町に着く。
 パイアは元々マウイ島で最初の砂糖キビ工場が建設され砂糖キビ産業で栄えたとこ
ろであるが、このハワイ最大の製糖会社ハワイアン・コマーシャル&シュガー・カン
パニーは、2000年9月末をもってパイア製糖工場を閉鎖した。このため町はゴースト
タウン化していたが、1960〜1970年にかけてヒッピーたちが移り住み、装飾品などの
小さな店をオープンさせた。異色の町に相応しく、現在は、サーファーの集る若者の
町でもあり、ここを訪れると不思議な雰囲気を感じさせる町である。
サーフィング
サーフィング
ウインド・サーフィン
ウインド・サーフィン
ウインド・サーフィン
ウインド・サーフィン
 更に、パイアを過ぎて3km ほど行くと、マウイ島が世界一を誇るホオキパ「ウイ
ンド・サーフィンの町」に着く。世界各国からサーファーが集るところで有名である。
よく国際大会が開催される地でもある。
 湘南海岸で見るような1m 程度の波でなく、数m の巨大な波が押し寄せて、今にも
サーファーを巻き込むような光景は見ていても恐ろしい。もちろん、ここでサーフィ
ングできる人はこの道のエキスパートに限られている。
 
2009.11. 8 三橋 マウイよいとこ一度はおいで! (9−3)
  マウイよいとこ一度はおいで! 茅ヶ崎市 三橋春夫
9話 マウイ島の観光スポット
 その3・中央マウイ中部地区(ワイカプ、プウネネ地区)
 ワイルクから30号線で砂糖キビ畑の間を南下した右側にマウイ・トロピカル・プラ
ンテーションがある。ここもマウイ島観光の折りに必ず立ち寄る場所である。
 120エーカーの広大な農園には砂糖キビ、パイナップル、バナナ、マカダミアナッ
ツ、コーヒー、マンゴー、パパイヤなどの果実やハワイの植物・花を6両編成のトロ
ピカル・エクスプレスで観賞できる。
トロピカル・プランテーション入口
トロピカル・プランテーション入口
この風車が目印
この風車が目印
 女性のドライバー兼ガイ
ドが早口の英語で説明する
ので日本人にはなかなか理
解できないが、ココナッツ
割りの実演やパイナップル
の試食サービスもあり興味
深いスポットの一つである。
 
 
パイナップルを試食する観光客
パイナップルを試食する観光客
パイナップルの実
パイナップルの実
砂糖キビ畑
砂糖キビ畑
 
バナナの木
バナナの木
マカダミアナッツの実
マカダミアナッツの実
コーヒーの実
コーヒーの実
 
マンゴーの木
マンゴーの木
パパイヤの実
パパイヤの実
6両編成のトロピカル・エクスプレス
6両編成のトロピカル・エクスプレス
 
砂糖キビ畑の中の製糖工場
砂糖キビ畑の中の製糖工場
 もう一箇所、カフルイから南下して、途中、左側380号
線から311号線を右折してすぐ、プウネネに大きな煙突が
立つアレキサンダー&ボールドウイン製糖工場があり、
その前に、同製糖工場の砂糖博物館がある。
 
 
 
  
 この博物館には、日本から移住し、砂糖キビ農場や工 砂糖博物館
砂糖博物館
場で働いていた日本人移民の当時の写真や日本人女性の
着ていた和服、日本から持参した行李や生活用具、小さ
な仏壇、茶碗、そして、日本人移民が宿舎としていた家
の模型などが展示されており、当時の日々厳しい重労働
に耐えていた移民者をしのぶことができる大変貴重な博
物館である。
  
 ゴルフ愛好者には嬉しいことに、この狭い地域にマウイで唯一、メンバー同伴か、
メンバーの紹介でしかプレーできない「ザ・キング・カメハメハGC」と、だれでも
プレーできる「カヒリ・ゴルフ・コース」「マウイ・ラニ」の3つのゴルフ場がある。
マウイ・ラニのクラブハウスを背に
マウイ・ラニのクラブハウスを背に
 前者2コースは同じ経営で地続き。「マウイ・ラニ」
はどちらかというと、カフルイに近く、新興住宅地の中
にあるゴルフ場で驚くほど自然と人工的にレイアウトさ
れたコースである。クラブハウス内のレストランの前が
スタートホールで広く、綺麗な池があるため、ハレアカ
ラ火山から戻った日本人観光客の昼食の場となっている。
 
 
 
2009.11.22 三橋 マウイよいとこ一度はおいで! (9−4)
  マウイよいとこ一度はおいで! 茅ヶ崎市 三橋春夫
9話 マウイ島の観光スポット
 その4・中央マウイ南部地区(マアラエア、キヘイ、ワイレア、マケナ地区)
 カフルイ、ワイルクから南下すると女性の喉の部分に、スノーケル・クルーズやホ
エール・ウオッチングの船が出入りするマアラエア・ハーバーと500種以上、約2,000
匹以上の各種の魚を強化プラスチック製の水槽トンネル「アンダーウオーター・ジャ
ーニー」より観察できる人気のマウイ・オーシャン・センターがある。
マウイ・オーシャン・センター前景
マウイ・オーシャン・センター前景
早朝のマアラエア・ハーバー
早朝のマアラエア・ハーバー
風力発電用プロペラ群
風力発電用プロペラ群
 更に右手、ホノルルからの便がカフルイ空港へ着陸するため、上記マアラエア・ハ
ーバーの上を通過する前、左機窓から見える西マウイ山の稜線に巨大な20基の風力発
電のプロペラ・タワーが、自然の景観が豊かなマウイ島には一見異様な風景として目
に入るが、不思議にドライブしているとこの辺りでは気にならない。
 そこから6マイルにも及ぶ白砂の美しいビーチが続くコンドミニアムの街・キヘイ
から、女性の胸の部分に相当する場所・マウイ島でも屈指の高級リゾート地として開
発・発展中のワイレアとマケナ・リゾート地区がある。
 キヘイには長期滞在型の比較的手ごろな値段のコンドミニアムが、今では80〜90軒
ほど並んでいる。ビーチの傍なのでサンセットを特に楽しむアメリカ人には人気のエ
リアである。最近はレストランやショッピング・センターが以前より増えてきたので
便利になった。
 このキヘイ・タウンを過ぎて、海岸に並行して車を進めると、いよいよワイレア・
リゾート地区に入る。明らかに街の雰囲気が異なり、高級感を感じさせる住宅、7〜
15億円の相場とされる別荘が今も建設されている。そして、高級リゾート・ホテルも
集中している。
 私たちが利用しているリゾート・ホテルのシェフの話では、毎年1月にマウイ島の
カアナパリ・ゴルフ・クラブのプランテーション・コースで開催のPGA初戦に参加、
するために、当所から600mほど下った海の傍、マケナ寄りに、タイガー・ウッズの別
荘があると聞かされた。事実は定かではないが一度覗いてみたいと思っている。PG
A初戦、練習ラウンドと本戦4日とその前後くらいを含めて、10日ほどの日程のため
に豪勢な別荘を準備しているとは、さすがタイガー・ウッズであると思った。
 ワイレアの中心部に3年前にリニューアルした高級ブランド品ショップから大衆的
なABCストア、ギャラリー、レストラン、ファッション関係の店などが集る「ショ
ップス・アット・ワイレア」は、この地、唯一の大型ショップである。各ホテル間を
回りながら「ショップス・アット・ワイレア」に観光客を送り込むシャトルバスは、
$1で利用できるので大変便利である。この「ショップス・アット・ワイレア」やホ
テル群と、高級別荘群の間にはマウイ島でも最も美しく、LPGA開催コースでもあ
るワイレア・ゴルフ・クラブのオールド・ブルー・コースがあり、美しいコースとプ
レーしている人たちを運転しながら見ることができる。
ダイヤモンド・リゾートの全景
ダイヤモンド・リゾートの全景
サンセットと海の見える大浴場
サンセットと海の見える大浴場
 私たちが宿泊しているリ
ゾート・ホテルはハレアカ
ラ火山の麓であるが、部屋
のテラスからは眼下に広が
る海、潮を吹く鯨、ジャン
プする鯨を見渡せる最高の
立地条件にある。更にワイ
レア・ゴルフ・クラブの3
コースの内、2コースの中に建てられており、特に、同クラブのオールド・ブルー・
コースのクラブハウスまでは車で1分とかからないところである。
●最後のリゾート地・マケナ地区
 ワイレアの先は人家も道路から海岸沿いに建つ、静かな地区になり、ゴルフ場と美
しいビーチ、スノーケルが楽しめるマケナ地区に入る。
 この地区には私たちが行 マウイ・プリンス・ホテル
マウイ・プリンス・ホテル
マケナ・ゴルフ・コース(美しい#10ホール)
マケナ・ゴルフ・コース(美しい#10ホール)
く前に、西武グループがハ
レアカラの麓で海岸に面し
た広大な敷地にX字型をし
た豪華な白亜のマウイ・プ
リンス・ホテルを建設した。
そして、マケナ・ゴルフ・
コース/サウスとノース・
コースをオープンさせた。
 当時は、ワイレア地区から先は31号線沿いの閑静な住宅や別荘、雑木林と大きなサ
ボテンの他、美しいビーチがあるだけで、何も楽しむところもなく、どうしてこんな
ところに・・?と思ったものである。何年前か滞在中に、当時、西武ライオンズの野
球キャンプ地にマウイが選ばれ、カフルイ地区にあるマウイ球場でキャンプをはった
ことがあった。
 家内の母が大の野球好きで、セ・リーグはジャイアンツ、パ・リーグはライオンズ
をひいきにしていた関係で母を乗せてキャンプ地を訪ねたことがあった。しかし、ラ
イオンズの選手の宿舎であった、このマウイ・プリンス・ホテルは数年前に米国企業
に売却されたことは新聞などで報道され、ご存知の方も多いと思う。
当時の西武ライオンズのキャンプ風景
当時の西武ライオンズのキャンプ風景
当時の清原選手
当時の清原選手
溶岩風景
溶岩風景
 このマケナ地区に今年3月に行って見て驚いた。個性的な別荘が次々に建てられて
いた。この地区は、ある場所から先に行くと火山が流出した黒っぽい色の溶岩だらけ
の景色に変わる。浅間山の鬼押し出し以上に溶岩ばかりの風景に一変し、その先は通
行禁止となり、この溶岩ばかりの景色に変わる。この少し手前に、先に記したスノー
ケルの最高のポイント、アヒヒ・キナウがある。
 以前、モロキニのスノーケルの帰り、マケナ地区の海岸近くにボートを係留し、海
の生物を実際に採集して見せてくれたが、海岸近くでスタッフが言ったことがある。
マケナの美しいビーチ
マケナの美しいビーチ
「この前のビーチは、ヌーディストが集るビーチです」
と説明してくれた。日本人乗客は英語での説明であった
ので理解できた人とそうでなかった人がおられたようで
あるが、アメリカ人の男女のほとんどは、声を出して喜
び、望遠鏡で海岸をのぞいて大騒ぎとなった。私も望遠
鏡でのぞいたが人影はなかった。
 5月に行われたOB会バス旅行で同室のKさんは、以
前同ホテルに宿泊され、散歩中に、そのビーチで女性の
ヌーディストと会ったとの証言があった。Kさんは本当にラッキナーな人だと思う。
 
2009.12. 6 三橋 マウイよいとこ一度はおいで! (9−5)
  マウイよいとこ一度はおいで! 茅ヶ崎市 三橋春夫
9話 マウイ島の観光スポット
 その5・ハレアカラ火山
 アップカントリーと言われる地域はハレアカラ火山とその西側の高原地帯に広がる
牧場と集落である。ここは何と言ってもハレアカラ国立公園を見逃すことはできない。
 「ハレアカラ」は、ハワイ語で「太陽の家」という意味だそうだ。私たちは、マウ
イ島を2回目に訪れたとき、ハレアカラでサンライズ・ウオッチングツアーに参加す
る機会を得た。
 早朝4時前、日本から着てきたセーターとズボン、そ ビジター・センター
ビジター・センター
れにホテルの部屋にあった毛布2枚をかぶりツアーに参
加した。約9,800フィート地点にあるビジター・センター
の駐車場に着いたときには、ツアー客やレンタ・カー、
バスでいっぱいであった。ツアー会社からオレンジ色の
防寒用アノラックを借りたが夜明け前の山頂は実に寒か
った。余りの寒さにビジター・センターに逃げ込む始末。
狭い部屋はツアー客で身動きできないあり様であった。
 やがて、東の空が明るくなり、雲海がピンクから淡い赤色に染まり始めた。水平線
に黄金の帯が走り、太陽が顔を出し始める。観光客から歓声と拍手が沸きあがる。感
動の瞬間である。写真を撮ろうと思ってもジビター・センターの観覧場所は人・人・
人で頭ばかり入る始末である。
美しい日の出風景
美しい日の出風景
太陽が昇り、すがすがしい朝を迎えると目の前に広がる噴火口の景観に圧倒される。
説明書によると、ハレアカラ噴火口は円周33.8km、東西12km、南北4km、火口
壁の高さ200m、火口の深さ910m、面積は49.2kuでニューヨークのマンハッタンが
すっぽり収納されてしまう広さと言われる。火口は独特の茶と紫色をした土砂である
が、よく見ると部分的に植物が生えているのが見える。そして、遥か下には火口の自
然を観察するトレッキング・ツアーに参加している人影が蟻のように見える。
月世界のような美しい火口
月世界のような美しい火口
 この火口内では、かつて、スタンリー・キューブリックの名作「2001年宇宙の旅」
の撮影や宇宙飛行士の月面着陸訓練も行われたところで有名である。
 ハレアカラの最高地点はレッド・ヒルという丘で標高10,023フィートであるが、ビ
ジター・センターの反対側にはドーム型の建物やパラボラ・アンテナが見える。こ
こはサイエンス・シティという天文台である。噂では、アメリカの著名大学、天文の
研究機関の他、アメリカ空軍などの研究機関が宇宙観測、人口衛星やミサイル追跡ス
テーションの仕事も行われているというが定かではない。
サイエンス シティという天文台
サイエンス シティという天文台
貴重な高山植物「銀剣草」
貴重な高山植物「銀剣草」
 サンライズ・ウオッチン
グ・ツアーとは別に、ハレ
アカラの頂上でサンセット
&スターゲイジング(星空
観測)・ツアーも評判であ
る。ただ、経験上、ハレア
カラが雲一つない姿を見せ
ることは非常に少ない。私
はその後、3回レンタ・カーでハレアカラに昇ったが、2回は天候に恵まれたものの、
火口の右端上に見えるとされるハワイ島のマウナケア(標高13,796フィート)を見る
ことができないでいる。ツアーの日に雲がかからなければ大変ラッキーなことであり、
ツアー終了後、参加者で大いに乾杯する価値がある。
防寒着を来て!
防寒着を来て!
 
2009.12.20 三橋 マウイよいとこ一度はおいで! (9−6)
  マウイよいとこ一度はおいで! 茅ヶ崎市 三橋春夫
9話 マウイ島の観光スポット
 その6・クラ周辺とアップカントリー地区(ワカワオ地区)
 カフルイ空港近くで36号線ハナ・ハイウエーと分かれて、ハレアカラ・ハイウエー
37号線に入り、山の麓に向かって左右の砂糖キビ畑を見ながら昇る。途中、マカワオ
で37号線クラ・ハイウエーと377号線ハレアカラ・ハイウエーに分かれるが、このハイ
ウエー沿いの地帯がアップカントリーと言われる地域である。
 更に、当地は果物や花の栽培にも火山性土壌が適しており、パイナップル、りんご、
桃、梨、柿、葡萄の産地でもある。また、カーネーションとプロテアは他の島やアメ
リカ本土に多く出荷されている。
 特産・プロテアを19年間、マウイ島の花と思っていたが、一昨年、南アフリカ旅行
をしたとき、原産地が南アフリカだと初めて知った。プロテア属の8割を超える各種
のプロテアがここクラで栽培されている。プロテアは丈夫な花であるので、切花とし
てホテルやレストランで活花として必ず飾られている。
キングプロテア
キングプロテア
長閑なクラから西マウイ山とキヘイ・タウンを眺める
長閑なクラから西マウイ山とキヘイ・タウンを眺める
 マウイ島に行くと毎回必
ず表敬訪問する所がある。
クラにある武田さんご夫妻
が経営する「エンチャンテ
ィング・フローラル・ガー
デン」である。2回目に来
たとき、近くの日本の企業
が買収したプカラニ・カン
トリー・クラブへゴルフをし、時間があったのでエンチャンティング・フローラル・
ガーデンを訪ねた。
 ご夫婦とも千葉大学ご出身で、ご主人は日本で有名な園芸会社に勤務されておられ
た技師で花に関する著書も多く著名な方であるが、世界の花を育てたいという希望で
8エーカーの土地をご夫婦で世界の花々を400種以上も育てている。奥様は旧農林省に
お勤め後、ご主人の良き理解者として、同ガーデンの作業や管理を分担されて多忙な
日々を送られておられる。 エンチャンティング・フローラル・ガーデンの入口と結婚式を挙げるための祭壇
エンチャンティング・フローラル・ガーデンの入口と結婚式を挙げるための祭壇
エンチャンティング・フローラル・ガーデンの入口
エンチャンティング・フローラル・ガーデンの入口
 7、8年前に茅ヶ崎市の
ボランティア・グループの
会員6名を連れて、ここを
訪れたとき、偶然にも以前
ご夫妻が茅ヶ崎市美住町に
住んでおられたという話で、
見学もそっちのけで茅ヶ崎
の思い出話しに時間を費やしたことがあった。更に、奥様が学校で故平本四郎さんの
お嬢様と友人で、東京計器のことはいろいろとご存知であった他、お友だちという1、
2名の社員の名前を挙げられたのには驚いた。それからは毎年、プカラニ・カントリ
ー・クラブへゴルフのついでに激励のために必ず訪れている。
日系人プレーヤーが多いプカラニ・カントリー・クラブ、お気に入りのゴルフ場の一つである
日系人プレーヤーが多いプカラニ・カントリー・クラブ、お気に入りのゴルフ場の一つである
テデスキー・ワイナリーの入口
テデスキー・ワイナリーの入口
 クラの集落から車で15分
余り進むと、ハレアカラの
麓の道が段々と狭くなり、
見通しの悪い急カーブとア
ップダウンも多く、運転し
ていると少々心細くなって
くる。ウルパラクア牧場を
過ぎたところに一軒の店に
着く。その前がテデスキー・ワイナリーである。1947年から葡萄栽培からワイン醸造
を一貫して取り組んでいるワイナリーであるが、ワインが試飲でき、各種ワインが販
売されている。石造りの建物は昔牢屋として使用されていた所と説明があった。
 ここに別れを告げて、再び今来た道を戻り、クラの集 カウボーイとロデオ
カウボーイとロデオ
落を過ぎて、先に中央マウイ(北部)の中で紹介したサ
ーファーの町・パイアに向って下る途中に、地元ではパ
ニオロ(カウボーイ)タウンと親しまれているマカワオ
の町がある。
 町の周辺は牧場が広がりカウボーイが働いている町で
ある。メーン・ストリートは100m少々歩けば終ってしま
いそうな小さな町であるが、道の左右は昔の西部劇のセ
ットのような店舗が並ぶ。ここが島内で有名なのは、7月に開催されるロデオ大会の
開催地であるからである。常夏の島とロデオ大会とはちょっと違和感があるが、本土
に渡らなくても雰囲気が味わえるのはこれも嬉しいことである。
 
2010. 1.10 三橋 マウイよいとこ一度はおいで!(9−7)
 
  マウイよいとこ一度はおいで! 茅ヶ崎市 三橋春夫
9話 マウイ島の観光スポット
 
 その7・外界と遮断できる町「ハナ」
 カフルイ空港を出て、ハレアカラの麓を上りながらハナ・ハイウエーを東南の方向
へどこまでも海岸沿いに車を進める。そのドライブは長く、カフルイからハナまでの
距離約80km、そして、600箇所以上のカーブと狭い道を通らなければ行けない町である。
 地図上ではハイウエーとなっているが、ハイウエーのイメージとはおよそかけ離れ
た道路であり、カーブが多く見通しが利かない、道路は片側一車線で道幅は狭く、す
れ違うにはゆっくり運転することが求められる。
 途中、56箇所ある石橋は車一台しか通行できないので、橋の前後でスピードを落と
して対向車があるかどうかを確認する。なければそのまま通過すればよいが、あれば、
先に橋に着いた車に渡る優先権があり、それまでは橋の手前の停車線で待つことにな
る。路肩も狭く、車窓から見下ろす断崖を見ると恐ろしさを覚えるハイウエーである。
ハナへの道、下は断崖
ハナへの道、下は断崖
 マウイ島で運転免許証を取得してドライブしているが、
狭いところはお互いに譲り合い、にこやかに合図をして
すれ違うところが日本と違う。車とは別に、人通りの少
ないところで人とすれ違うと、アメリカ人は必ず笑顔で
「ハロー!」「ハーイ!」と声を出す。お互いに相手に
対して敵意がないということを示すマナーであり、習慣
でもあろう。
 少し脱線するが、同じことを日本人に「おはようござ
います」「こんにちは」と言うと、ほとんどの人に不思議な顔をされる。「知らない
人になぜ声をかけられるのか?」という感じである。これはどちらかというと女性に
多いのはどうしたことだろう。
 鬱蒼と茂る原生林、その合間に姿を現す美しい渓谷や 途中、滝の前で小休止
途中、滝の前で小休止
リアス式の海岸線、カウマヒナ州立公園、ワイルア渓谷
展望台、プアア・カア州立公園、そして30箇所くらいあ
る小さな滝のいくつかで小休止しながら、4時間近くか
けてたどり着くのが、「天国のような・・・」と呼ばれ
るハナである。
 疲れた体を休めるためハナ湾で車を止める。溶岩流が 
海に流れ込んでできた美しい湾である。ビーチ・パーク 
ハナ・ビーチ
ハナ・ビーチ
の砂は火山でできた茶黒色である。 
 ビーチの一角にスナック・ショップがあるが夕方4時
には閉店となる。その理由は「ここはハナ!、日が沈め
ばだれも出歩かない。観光客は帰りの運転を心配して
3時には帰路につくようにと案内書に書いてある。
 煩わしい日常のことを忘れ、すべての外界と遮断して
執筆活動をしている売っ子作家、国や企業の将来をゆっ
くり考えようと来島した政治家・実業家は世界中の旅行 
者から愛されているホテル「ハナ・マウイ」というコテージ風の超高級ホテルに宿泊
し、外出などしない。」ということのようである。
 ハレアカラのなだらかな山裾、海を目の前にした丘の上にあるこのホテルは、敷地
26万uというから日比谷公園が一つ半すっぽり収納される広さの中に、ホテルの部屋
数はたったの93部屋という。しかも部屋は人数に応じていろいろな部屋が準備されて
おり、ハワイならではの調度品や上品なインテリアでゲストを迎えてくれるという。
お金持ちのために最高級にランクされるスイートも準備されているという。
 ホテル内では2つのプー 究極のホテル「ハナ・マウイ」の前景
究極のホテル「ハナ・マウイ」の前景
フロントのスナップ
フロントのスナップ
ル、フィットネス・センタ
ー、テニス・コート2面、
ビーチバレー、ブギー・ボ
ード、スノーケルを楽しめ
るプライベート・ビーチ、
乗馬、フラの練習場、9ホ
ールのゴルフ・コースがあ
る。ハナに行った折り、一度、ホテルの入口近くの部屋が開いていたので中を覗いた
ら、天井から大きなクラシックな形をした扇風機が見えたが、外界と遮断するためか
テレビが無いように見えた。およそ、都会的な近代的なホテルのイメージではなかった。
 ハナの名所は、更に道幅を心配しながら先に進むと、日系人のハセガワ・ファミリー
が経営するハセガワ・ジェネラル・ストアがある。
 初めてここを訪れたときは、ハワイ諸島でもすでに有名になっていた。その理由は、
「暗くて汚い店、超狭い店、狭いのに品物の多さ、天井に届くくらいに雑多に品物が
置かれており、どこになにが売られているか聞かないと分らない店、しかし、店員に
言うと、すぐ取り出してくるのにびっくりした店、更に当時、ハセガワ・ジェネラル
ストアのコマーシャル・ソング“♪ハナへ行ったら、ハセガワ・ストアを見なくちゃ
ダメだよ。一歩入れば驚きダア。何でもあるよ、この店にゃ。バットも帽子も、水着
ハセガワ・ジェネラル・ストア
ハセガワ・ジェネラル・ストア
も苗木も・・・”をハワイのラジオ局で流していたこと 
でちょっとしたヒット曲となっていた。
 しかし、私たちが訪れた数年後、火事で消失したが、
その後、前とは少し離れた場所に新しい店舗が建ってい 
た。いくらでも土地があるのに以前より少し広くなり、
店内は明るくなっていたが、相変わらずのごたごたの店
であった。
 
 ここまでで普通の観光客は引き返すが、冒険心のある 7つの聖なる池
7つの聖なる池
観光客は先に進みオヘオ・プールと呼ばれるところで、
かつて、ハワイ人が禊(みそぎ)に使用した7つの聖な
る池がある所を目指す。
 そのオヘオ・プールから未舗装の道を行くとキパフル
の集落がある。その近くにパラパラ・ホオマウ教会が建
っている。その敷地内、海の見える丘に大西洋横断単独
飛行に成功したチャールズ・O・リンドバーグの墓がある。
島をこよなく愛したリンドバーグの墓
島をこよなく愛したリンドバーグの墓
 リンドバーグは、一線を引いた晩年、「ハナと比べる
ことのできる静かなところは他にない。滝の音が快く響
き、その近くには美しい海が広がっている。かつて訪れ
た、どの地よりも、ハナは美しい」と感動した彼は、
ハナに4エーカーの土地を得て、小さな家を建て夫婦で
ここへ来ては2ヶ月ほど過ごしていた。
 1974年夏、その彼がニューヨークで体調を崩し入院し
た結果、末期のリンパ腫癌と宣告され、家族とともにハ
ナに戻り、1974年8月25日、最愛の夫人らに見守られて天国へ旅立っていった。
 
2010. 1.24 三橋 マウイよいとこ一度はおいで!(9-8)
 
  マウイよいとこ一度はおいで! 茅ヶ崎市 三橋春夫
9話(マウイ島の観光スポット)    茅ヶ崎市  三橋 春夫
9話 マウイ島の観光スポット
 
 その8・ラナイ島
 マウイ島は、モロカイ島、ラナイ島、カホオラウエ島の3つの島を含めてマウイ郡
とし、その中心の島である。郡政府は中央マウイ(北部)のワイルクにあり、現在の
マウイ郡議会は公選による9名の議員で構成されているという。上記、ラナイ、モロ
カイ、カホオラウエと、マウイも西部、東部の住居者から1名ずつ、郡政府のある中
部マウイの住居者から3名、残り2名は全島区で住居区に関係なく選ばれる仕組みで
あると聞く。
 その中で、マウイ島の西15kmの沖にあるラナイ島は10数年前から注目されている
島である。ホノルルに向かうとき、カフルイ空港から離陸し、カフルイ湾の北側から
女性の頭の部分を左に旋回し、ラナイ島の右端の上空を通過するが、緑が少なく険し
い断崖の島である。
 ラナイ島は、かつてハワイ有数のパイナップルの生産地であったが、18年前に、台
湾、東南アジア産に価格面で太刀打ちできなくなり生産を中止した。現在は、フロポ
エ・ベイの近くに高級リゾート・ホテルが建てられ、二つのゴルフ・コースを建設し、
本格的なリゾート地を目指している。ラハイナから高速船が就航しており、ゴルフバ
ックを担いだ観光客で一杯である。将来、ハナ同様にお金持ちが楽しむリゾート地に
なることは間違いない。
ワイレア地区から見たラナイ島
ワイレア地区から見たラナイ島
エクスペリエンス・アット・コエレ・ゴルフ・コース
エクスペリエンス・アット・コエレ・ゴルフ・コース
 これで、マウイ島の観光
スポット・シリーズは終了
した。マウイ島はアメリカ
有数のリゾート地である。
冬場の寒い東海岸の人々は
避寒地として最高の場所で
あり、本土からの直行便が
あるので大変便利である。
20年近く通ったマウイ島であるが、私たち年金者には年々宿泊費が上がり、気安く行
けなくなった。
 次回は、締めくくりとして、「マウイ島雑感」で終らせていただくことにした。
 
2010. 2. 7 三橋 マウイよいとこ一度はおいで!その10 <最終回>
 
  マウイよいとこ一度はおいで! 茅ヶ崎市 三橋春夫
 
   10話(マウイ島雑感)<最終回>
 今まで、マウイ島の歴史から始まり、マウイ島全島の概略についてリポートさせて
いただきましたが、マウイ島紹介記も今回で終らせていただくことになりました。
 よく友人から、「マウイ島は、いつがベスト・シーズンなのか?」と聞かれる。常
夏の島とは言え、季節により、観光の目的により異なることは事実である。私の答え
は、「日本の寒いシーズン」、「日本の梅雨のシーズン」、「観光シーズンで航空運
賃等の高いシーズンを除く」などに、常夏のハワイ、爽やかなハワイを気軽に過ごす
のがベストだと思っている。大体12月20日前後から翌年の4月中旬が当地のハイ
・シーズンであるが、国内同様、ホテルやコンドミニアムの宿泊料金、ビジターのゴ
ルフ・プレー費が高くなるのが問題であるが、特に子育て中のクジラがあちこちで見
られる2月〜4月初めの時期はまさにベスト・シーズンだろう。
 このシーズン、日本の2月は例年最も寒い季節である。このような時期にハワイを
訪れ、飛行機から降りると、30度前後の気温ではあるが、湿度のせいか、気持ちよい、
爽やかな気候で心が和み、更に軽快なハワイアン・ミュージックを聴くと、故郷に戻
ったという感じがする。
 3週間ほどの滞在となると、以前は、日本から米をはじめ嗜好品を持参していたが、
10年前から、近くのスーパー・マーケットで日本人用の食品は何でも調達できること
が分かった。特に昔の外米の味も知っているが、現在のカリフォルニア米の美味しさ!
わざわざ、日本から米を持参する時代ではなくなった。日本人の食卓に欠かせない豆
腐、納豆、漬物、海苔、梅干し、マグロ刺身(赤身)など何でも揃っている。
 ゴルフで少々遅くなれば、スーパー・マーケットの寿司コーナーでお好みの寿司が
購入できるし、回転寿司から普通の寿司店もある。和食が飽きたら、中華、韓国、ベ
トナム、タイ、そして、ヒスニック料理店もある。
近くのスーパー・マーケット「フードランド」の前景
近くのスーパー・マーケット「フードランド」の前景
アメリカ人にも好評な「弁当」
アメリカ人にも好評な「弁当」
同「ココ一番屋」にて
同「ココ一番屋」にて
 こんな居心地のよいマウイ島であるが、私たちが会員であるリゾート・ホテルにも
時代の変化が到来している。もともと、日本人を対象に、定年後の余暇をマウイ島で
長期滞在して楽しく過ごす・・という趣旨でスタートしたメンバー制のリゾート・ク
ラブであったが、会員の高齢化が進み、利用率が低下し、更に会員がハワイ州に払う
固定資産税や管理費の滞納が増加し、建物・設備のメンテナンスにも支障をきたす状
況となり、2009年に入り、会社は会員の反対を無視して、このリゾート・クラブの経
営権をアメリカ企業に譲渡してしまった。このためか、昨年訪れたときは、日本人を
数名見た程度で、宿泊客のほとんどがアメリカ人であった。
 かつて、鉄板焼きから寿司バーを備えた豪華なレストランも朝食のサービスのみと
なり、夕食はサンセットを見ながらディナーが楽しめることで人気があるイタリア料
理のレストランだけとなった。
 2〜3年前までは、朝晩、日本人宿泊客で賑わっていたリゾート・ホテルも今まで
とまるで違ったホテルのように感じた。
 話は変わるが、世界中の観光旅行者の中で、ホテル側から見て一番好まれているの
は日本人観光客と言われている。その理由は、団体で利用すること、金に綺麗なこと、
ホテルに対する苦情を言わないこと、ルールを守り、ホテルの部屋など綺麗に使用す
るなどが評価されていると聞いている。
 私自身、日本人観光客のマナーは決してよいとは思わないが、身近なところで見聞
きしたことでは、「ホテル内で行きかう人へ挨拶をしない」、「日本人同士でも知ら
ない人から挨拶をされても返事をしない」、「知らない人から挨拶されると驚いた表
情をする」、「人数が少ないときは借りてきた猫のように静かであるが、団体になる
と、周りに配慮せず大声での会話となる」・・などが指摘されている。
 しかし、私たちのリゾート・クラブは生活文化の違いとはいえ、注意書きが掲示さ
れているのにルールを守らない日本人以外の宿泊客らによってすっかり変わってしま
った。
  アメリカ人に合わせたスパの湯温
 今度、行ってみて驚いたことは、広いスパから海が見渡せるマウイ島でも自慢のス
パの湯温が低いのに気がついたので支配人に聞いたところ、「日本人の観光客が減少
したため、欧米人観光客を増やしたが、彼らは日本人のように45度前後の湯温では熱
くて入浴できず、仕方なく、湯温を下げている」とのことであった。どうも、日本人
にはピリリとしないスパとなってしまった。彼らは、ぬるま湯を利用して長時間、読
書を楽しんでいるのである。 自慢のスパ風景(右前方は海が一望できる)
自慢のスパ風景(右前方は海が一望できる)
スパの下はプールとショーの舞台(左前方)
スパの下はプールとショーの舞台(左前方)
 こんなぬるい湯では入っ
た気分にならないので、ス
パから部屋に戻ると、アメ
リカ人サイズの大きいバス
タブに熱い湯を満杯にして
入り直している始末である。
 
  スパ脱衣所のルール違反
 数年前から、スパの脱衣所内には、英語と日本語で「利用にあたって」の注意書が
掲示されているが、年々違反者が多くなっている。
 家内の話では、サンダルのまま、スパの脱衣所に上がり、「脱衣かご」にサンダル
を直接入れているのを目撃したと驚いていた。以後、家内は「脱衣かご」に直接衣類
を置かず、タオルに包んで置くようにしているという。男性の方では、そこまでひど
こんな車で乗りつける人がルール違反者?
こんな車で乗りつける人がルール違反者?
いのは見たことがないが、欧米人は、他人の前で裸にな
り、入浴する習慣がない。このため、脱衣所からスパや
シャワー室にくるときは、手ぬぐいではなく、バス・タ
オルで身を包んで来るが、スパに入って、いざ出るとき、
入るところで脱いだタオルを、そのままにして新しいタ
オルを巻いて来る人がほとんどである。このため、彼ら
の入浴後は、先ずタオルの後片付けから始まるのである。
 
  ボーイやメンテナンス・スタッフに困惑!
 部屋の「セーフティ・ボックスの調子が悪い」、「部屋の風呂場のドア開閉がス
ムーズに開かない」・・など、フロントへ電話をすると、ボーイやメンテナンス・ス
タッフが、すぐ来てくれるのは嬉しいが、困ることに、彼らは、そのまま、土足で部
屋のジュータンにあがってくる。文化、生活環境の違いとは言え、我々日本人からす
れば大変嫌なことである。
 「今朝、メイドさんに部屋を綺麗にしてもらったのに・・」と、カリカリしながら、
「支配人以下、日本人スタッフがいるのに従業員に何を教育しているのか」と、毎回
アンケートに書いているが、むなしい気持ちである。
  不況の影響か?ゴルフ場のサービスに変化!
 今回は6箇所のゴルフ場でプレーしたが、不況の影響 同コース、サウス10番ホール(パー5)の素晴らしい景色
同コース、サウス10番ホール(パー5)の素晴らしい景色
であろうか?変わったと言えば、毎回訪れるマケナ地区
のマケナ・ゴルフ・コース(旧マケナ・プリンス・GC)
では、サービスとして、一人$10の昼食券がついていた。
こんなことは、同ゴルフ・コースが1992年にオープンし
て以来初めてである。プレー終了後、家内と同ゴルフ・
コースのレストランに立ち寄って昼食を取ったが、その
ボリュームの多さにビックリ!一人前を二人で楽しみ、
残りは、ドギー・バッグに入れてもらい夕食用に持ち帰ることになった。
右の池が気になるアウト1番(パー4)の景色
右の池が気になるアウト1番(パー4)の景色
 また、キヘイ地区のハイ・ウエイ沿いにある日本企業
が経営するエル・エアー・マウイ・ゴルフ・クラブは、
さすが日本流?経費節減としてアイス・ボックスに入っ
ていた無料の水(ペットボトル)が無くなっていた。
 さらに、ハレアカラの麓、日系人が多いプカラニ・カ
ントリー・クラブのクラブ・ハウスは仮設のまま、今年
も工事が着工されていなかった。 
 
 一方、先に紹介したが、キヘイ、ワイレア、マケナ地区では豪華な別荘、コンドミ
ニアムの建設がまだ進んでいる。そして、人口も年々増加している。
 ワイレア地区のグランド・ワイレア・リゾートホテルのオーシャンビューが、一泊
420ドル以上である。以前は200〜300ドル程度であったと記憶している。これでは一部
の金持ちしか利用できないのでは・・?と、「渓谷の島」「母なる島」と呼ばれるマ
ウイ島に足を運ぶ者としてくだらない心配をしている次第である。
 最後に、ビーチから見た美しいサンセットをお楽しみいただき終りとしたい。
美しいマウイ島のサンセット風景T
美しいマウイ島のサンセット風景T
美しいマウイ島のサンセット風景U
美しいマウイ島のサンセット風景U
美しいマウイ島のサンセット風景V
美しいマウイ島のサンセット風景V
 長い間、お付き合いいただきありがとうございました。
 
 三橋さん、マウイ島が目の前に浮かび、自分がそこに居るような気持ちにしてくれ
るお話しも、これでお終いとなると寂しいですね。一休みしたら、又、楽しい原稿を
書いていただけると助かります。期待しております。ありがとうございました。   
                                事務局