『竹工芸に挑戦』    金子 勝明
 
自宅で作業に取り組む金子さん
自宅で作業に取り組む金子さん
 OB会事務局から「HP作品展」欄への掲載依頼があ
りましたが、“竹工芸”を始めてまだ3年にも満たなく、
作品の点数が少ない上、既に人の手に渡っているものも
あり一度は辞退いたしましたが、更なる要請で未熟なが
ら掲載していただくことにしました。
 幸い、作成した作品は編み方を忘れないようにと一部
写真に撮ったものも有りましたので、それを含めてまと
めました。
 
 那須地方は良質な竹林に恵まれた土地柄で、特に矢板市に隣接する大田原市は、昨
年人間国宝となった勝城蒼鳳氏をはじめ著名な竹工芸家が多く、全国的にも竹工芸の
盛んな地域です。
 したがって、この種の展示会や発表会で直接作品を目にする機会も多くありました。
竹が持つ強靭さとしなやかさ、その特徴を生かした多様な形状と繊細な編み方に、以
前から興味を持っていました。
 そんな折、町の広報誌に“竹の花籠作り教室”の募集が掲載されていましたので、
いい機会と思い参加しました。支給された材料を編んでみて、その強靭さやしなやか
さを直接自分の手で感じることが出来、更に興味が倍増しました。
 
 その後、近隣にこの種の自主サークルがあるのを知り一員に加えていただきました。
作業は一般的に胡座をかいて膝の上で行うのですが、私は体調の関係で長時間床に座
ることが出来ないため、定例会は丸椅子、自宅では自作の椅子と作業台を使用してい
ます。
 
 材料作りは丸竹から割り剥ぎしていますが、仕上げ以外は殆んど小型のナタを使用
します。
 「竹を割ったような性格」という言葉で代用されるように、竹にナタを入れると
スパッと気持ち良く割れます。更に小割りする時や厚さを剥ぐ時の乾いた「ビィビィ」
と裂ける音と手に伝わる感触は何とも云えない爽快感があります。
 最初のうちは使い慣れないナタになかなか馴染めず、生傷が絶えませんでした。
多少は慣れてきたとはいえ、今もちょくちょくカットバンのお世話になっています。
 
 まだまだ経験不足で材料作りの歩留まりが悪く、また編み方も限られたことしかで
きないため、なかなか“竹細工”の域を出られませんが、早く“竹工芸”と云えるよ
うな作品を作りたいと思っています。