趣味の写真への思い 瀧川昇二
 
熊野古道大門坂の瀧川
熊野古道大門坂の瀧川
 近年、時間の流れが年々速く感じられ、あと1ヶ月で
今年も終わる。これは、日々の暮らしが単調で希薄にな
ったのだと思う。
 思えば、我が家の事情もあるが、写真に費やすゆとり
を失っていることに気付いた。先ずは時間の許す限りカ
メラを背負って四季折々の風物に出会うことで、気分的
な余裕を取り戻すことから始めることにした。
 これまで、こだわり続けたフィルム用カメラの他にデ
ジタル一眼レフ・カメラを加えた。このカメラの便利さにかまけてフィルム撮影から
遠ざかっているが、やはりこれにも魅力があって、この後もこだわり続けよう。
 また、自分の写真の中に子供を撮った作品が意外に多いことに気付いた。特に東南
アジアの子供たちの、澄んだ眼と生き生きとした笑顔に魅せられ、失われてしまった、
かつての日本で見た子供たちの眼と笑顔を重ね合わせて、レンズを向けたものだろう。
 被写体を限定しないで、自分の感性と意図に任せて自由に切り撮って、自身で一番
だと思った作品が、観る人から共感をいただけたら本望です。