第5回個展 水彩風景画展を振り返って 横浜市  清水有道
 

 昨年東京計器OB会のホーム・ページにご紹介いただ
いたように、2008年11月26日(水)から12月3日(水)
までの8日間、筆者の住んでいる横浜市港北区の最寄り
駅、東急・東横線・目黒線日吉駅となりの『ギャラリー
日吉』で第5回目の個展を持つことが出来ました。
年末の慌しい時期にも拘らず、150名を超える多くの方々
にご覧いただき、盛会裏に打ち上げることが出来ました。
 OB会の諸兄姉にも56名という大勢のご高覧を得まし
した。改めてご支援いただいた諸先輩に深甚の謝意を表したいと思います。
 2000年から昨年2008年までに描いた風景画を中心に29 展覧会案内状
展覧会案内状
点を展示しました。その中から絵葉書に作った17点に絞
り、作者として作品を描いた動機や裏話、作品に込めた
意気込み等について、少し書いてみましょう。
 先ず最初に、ホーム・ページの編集会議で決められて
相談をいただき、考えてもいませんでした機会を与えら
れましたことに感謝を申し上げます。最終的な作品に仕
上げた順番とは異なりますが、最初にスケッチをし、取
 
材をした年月に沿って解説してみましょう。 会場入り口
会場入り口
 今回の展示作品を描いたときの基本的な考え方として、
以下の諸点に特にチャレンジした跡を見ていただきたい
と思います。
 一つは、風景画で空と近景と中間の景色のある構図は
あまりにも陳腐化していて、描いていてもマンネリ化を
感じてしまうので、いっそのこと空のない景色とか、水
に映った空で本当の空の存在を補うとか、木の葉越しに
 
空の空間を覗かせるとかの工夫を試みること。今回の作 会場風景
会場風景
品の中では「紅葉の森」、「清秋の湖」、「西沢渓谷初
夏」、「十二湖に映る崩山」、「真夏の参道」、「永観
堂への道」、「早春の白樺林」、「睡蓮の池」、「オゼ
コウホネの咲く池」等多くの空のない作品を作りました。
 二つ目には、今回の「睡蓮の池」のように細かい対象
を画面いっぱいに描き込み、全体で大きな纏まりを完成
させること。
 三つ目には、景色に襲いかかる気象の変化を空を流れる雲の変化を捉えて描き込む
等に挑戦してみること。今回の作品では、台風の直後の気流の激しい空を背負った
徳島の「剣山」がそれに当たります。
 四つ目は、横山大観や菱田春草が挑戦した『朦朧体』ではありませんが、輪郭線を
止め、新緑や紅葉の景色を木の幹や枝を細かく書き込まずに、むしろこれらを全て省
いて、色の重ねやグラデーションで雰囲気として捉えてみること。
今回の作品の中では、「新緑の阿武隈渓谷」がその代表的な戦果であります。
 
   多くの方々からお手紙をいただきました
 特別なお手紙だけでなく、賀状の中で激励をいただきました。その中には、以下の
ような身に余る賞賛の言葉もございました。
 *立派な展覧会でした。長年の精進のなせることと感じ入りました。
 *展覧会は久し振りではありましたが、以前に比べ、絵も大きく、色彩も豊かにな
  り、素晴らしかったように思いました。
 *個展楽しく拝見しました。ますます油が乗っている感じですね。夕焼けの小品な
  ど素敵だと思いました。
 *見事な力作の数々拝見させていただき、心充つる思いでした。
 *力作拝見。ご多忙の中でのパワーに敬服しています。
 *絵画展の大盛会おめでとう。ご趣味の広さとプロ級の腕に敬服します。
 
 これらの心に沁みるお言葉は有難く心に留め、ますますの精進の糧にさせていただ
きます。
 
《 事務局・注 》 各作品についての詳細説明を、4月より順次「話題コーナー」
          に掲載いたします。