| 年賀状シリーズ 『 晩 秋 』 | 竿田 史郎 | |
| 自 己 紹 介 |
| 《キッカケ》 | |||
| 1997年の暮れ、高校の部活以来30年振りに水彩画を描くことになりました。届く | |||
| 年賀状が毎年カラフルになる中、家内と相談し「何か自分達で描いた絵を贈ろう」と | |||
| なったのがキッカケでした。それ以来、毎年11月になると「いつ描きに行くの!」 | |||
| との言葉に後押しされ、何とか途切れずに1年1枚の絵がたまってきました。 | |||
![]() 近く、地図に場所を書き込みます |
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| そんな訳で景色の良い所へ出掛けていく意気込みもな | |||
| く、自転車で5分程度の近所を見て周り、手頃な神社仏 | |||
| 閣を見つけてはその年の題材にしています。幸い鎌倉に | |||
| 近い土地柄、点在するお寺や神社にはまだまだ趣のある | |||
| 建物が数多く残っており、このペースでは題材が尽きる | |||
| 心配は当分なさそうです。 | |||
| 《我流の描き方》 | |||
| 私の絵は我流の水彩画です。我流の描き方をお聞きください。 | |||
| 自転車を停めると最初にやるのが「指覗き」です。左右の親指と人差し指で長方形 | |||
| のファインダを作り、そこに入る景色を覗きながら絵になりそうな構図を探します。 | |||
| 構図が決まると鉛筆で柔らかく素描をし、その上に油性のなまえペンで線画を仕上げ | |||
| ます。そんな訳で、絵を描く方にはお分かりいただけるとおり、線画がチマチマして | |||
| おります。昔はもっと力強くで大胆なデッサンができた筈なのですが・・・。 | |||
| それから鉛筆の跡をきれいに消しゴムで消し、水彩絵具で色付けします。筆にタッ | |||
| プリな水とチョッピリな絵具を含ませて、うっすら色付く程度に塗っていきます。空 | |||
| や雲などは下が乾かないうちに、ここはキチッと描きたいと思う部分は下が乾くのを | |||
| 待って、何度も何度も色を重ねていきます。時には気に食わぬ色を塗ってしまい慌て | |||
| るのですが、元に戻すことはできず、さらに色を重ね重ねた往く末に、そこだけ浮き | |||
| 上がってしまうこともしばしばです。 | |||
| そんなことを考え考え、これからもずっと我流で描き続けていくことでしょう。 | |||
| 《雑念》 | |||
| スケッチブックに描いた絵であるため、毎年1回、必然的に過去の絵を見直すこと | |||
| になります。描いたときは気分と時間の制約で、「この絵はここまで」と割り切った | |||
| 筈なのですが、見直す度に「この辺りはもう少し手を加えたい」といった雑念が出て | |||
| 来てしまいます。(手を加えることはしませんが・・) | |||
| 今年の暮れに1枚の絵を描くとき、またそんなことを考えていることでしょう。 | |||
| トキメックHPに展示させていただくに当たり、55歳の今の気持ちを書き留めて | |||
| おくことにしました。ずっと先にタイムカプセルとなって、このメモを読んでみたい | |||
| と思います。 | |||
| (2006年2月 竿田記) | |||